タンパク質の二面角
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 02:37 UTC 版)
1963年にG・N・ラマチャンドラン、C・ラマクリシュナン、V・サシセカランによって開発されたラマチャンドラン・プロットはタンパク質構造中のアミノ酸残基の主鎖の二面角 φ に対してエネルギー的に許容される角度 ψ の領域を可視化する方法である。右の図は主鎖の二面角 φ および ψ の定義を表わしている。 タンパク質鎖では、図に示されているように3つの二面角 φ(ファイ)、 ψ (プサイ)、 ω (オメガ)が定義される。ペプチド結合の平面性によって、 ω は180°(典型的なトランス配座)あるいは0°(稀なシス配座)に大抵制限される。トランスおよびシス異性体におけるCα原子間の距離はそれぞれ約3.8, 2.9 Åである。シス異性体は主に、Xaa-Proペプチド結合(Xaaは任意のアミノ酸)において観察される。 側鎖の二面角は180°、60°、−60°近くに集まる傾向にあり、それぞれトランス、ゴーシュ+、ゴーシュ−配座と呼ばれる。特定の側鎖の二面角の安定性は隣接した主鎖および側鎖の二面角によって影響される。例えば、原子同士の衝突が増大するためゴーシュ+配座の次にゴーシュ+配座が続くのは稀である。
※この「タンパク質の二面角」の解説は、「二面角」の解説の一部です。
「タンパク質の二面角」を含む「二面角」の記事については、「二面角」の概要を参照ください。
- タンパク質の二面角のページへのリンク