タキオンの検出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 03:37 UTC 版)
タキオン粒子の実在性には様々な議論があるが、その実在に関する仮説を検証するために実験による探索が行われてきた。 タキオンは超光速で動くため、チェレンコフ放射によってその存在が確認できるのではないかと考えられ、様々な人が何度も検出を試みたが、依然成功していない。タキオンが存在し、ターディオンと作用を及ぼし合うなら、因果律が破られるか、あるいは、因果関係が観測者によって異なってしまう。そのため、ターディオンとは干渉せず、存在したとしても発見は不可能ではないかとも考えられている。またタキオンは計算上は理論に反しなくても、最低エネルギー状態が無限速であるなどの面から不安定解であるため、素粒子論においてはタキオンを含むような素粒子表を導出する理論は誤りであると見なされている。 1974年3月8日に、ロンドン発の外電が「オーストラリアの物理学者によって、タキオンの存在を示唆する実験結果が検出された」と報じたが、これは間違いであったと考えられている。現在、タキオン粒子の実在に関する実験的証拠は見つかっていない。
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