タイーシア女子修道院長
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「キリスト教神秘主義」の記事における「タイーシア女子修道院長」の解説
レーウシンの女子修道院長タイーシア・ソローポワ(1841~1915)はおそらくロシアで最も深遠な女性神秘家であると思われる。彼女の回想録には多くの神秘的な幻視や恍惚状態が記されている。1885年11月8日、奉神礼の間の記述より。 「ヘルビム賛歌が歌われた。私の心は喜びに満たされたが、私は自分を抑え、私の感情を表すまいとして、また他の人の邪魔をしまいとして、聖歌隊の指揮をし続けた。聖歌隊が『今こそすべての世の煩いを忘れ去ろう』と歌い始めたとき、私は無意識に目を上げた。そしてどんな秩序だった方法でも言い表すことのでのきない、描き出すこともできないような何ものかを見た。聖像画障(イコノスタス)の王門のちょうど正反対のところ、聖所の高壇(ソレア)の上である秘密の儀式が行われているのを見た。天使たちに囲まれた救い主がそこにいて、何かが行われているように思われた。けれども私には何か異様なものが見えたり、聞こえたりはしても、それが何であるとか、どのように行われているのか、描写することは全然できない。私は幻視の始まるのに我を忘れて夢中になっていた。賛歌が歌い終わり、パンとぶどう酒の奉献行列(大聖入)が終わったとき、私は何も見えず、何も理解できなかった。私は何も覚えていない。私は信経宣言の前に連祷の最後の懇願が歌われたとき、ようやく我に返った。涙が私の頬をしたたり落ちた。そのときはじめて私は皆が私を見ているのに気がついた。」。
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