セヴン・ネイション・アーミーとは? わかりやすく解説

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セヴン・ネイション・アーミー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/01 14:20 UTC 版)

セヴン・ネイション・アーミー
ザ・ホワイト・ストライプスシングル
初出アルバム『エレファント
B面 グッド・トゥ・ミー
リリース
規格 7インチ・シングル
CDシングル
録音 ロンドン Toe Rag Studios
ジャンル ガレージロックオルタナティヴ・ロック
時間
レーベル サード・マン・レコード
V2レコード
XLレコーディングス
作詞・作曲 ジャック・ホワイト
プロデュース ジャック・ホワイト
チャート最高順位
  • 2003年
    • 7位(イギリス[1]
    • 17位(オーストラリア[2]
    • 42位(オランダ[3]
    • 76位(アメリカ[4]
  • 2006年
    • 3位(イタリア[5]
  • 2008年
    • 3位(スイス[6]
    • 4位(ドイツ[7]
    • 18位(オーストリア[8]
  • 2013年
    • 48位(フランス[9]
ザ・ホワイト・ストライプス シングル 年表
Candy Cane Children
(2002年)
セヴン・ネイション・アーミー
(2003年)
アイ・ジャスト・ドント・ノウ・ホワット・トゥ・ドゥ・ウィズ・マイセルフ
(2003年)
ミュージックビデオ
'Seven Nation Army' - YouTube
テンプレートを表示

セヴン・ネイション・アーミー」(Seven Nation Army)は、アメリカ合衆国ロックバンドザ・ホワイト・ストライプス2003年に発表した楽曲。アルバム『エレファント』からの第1弾シングルとしてヒットを記録した。なお、アルバム『エレファント』及びライヴ・アルバム『アンダー・グレイト・ホワイト・ノーザン・ライツ』では「Seven Nation Army」と表記されているが、シングル盤では「7 Nation Army」と表記されている[10]

背景

この曲のリフは、ジャック・ホワイトメルボルンでサウンド・チェックをしている時に生み出された[11]。ジャックは昔、救世軍(Salvation Army)を「Seven Nation Army」と思い込んでいたことがあり、それが曲名の由来となっている[11][12]ベースのように聴こえる音はセミ・アコースティック・ギターで演奏されており、ワーミー・ペダルを通して1オクターヴ下げられている[11]

XLレコーディングスV2レコードは、「ゼア・イズ・ノー・ホーム・フォー・ユー・ヒア」を『エレファント』からの第1弾シングルにしようとしたが、最終的にはジャックの意向で本作がシングルに選ばれた[13]。シングルのカップリング曲「Good to Me」は、後にジャックと共にザ・ラカンターズで活動するブレンダン・ベンソン英語版がアルバム『Lapalco』(2002年)で発表した曲のカヴァー[14]。この曲は『エレファント』の日本盤にボーナス・トラックとして収録された。

反響

イギリスでは2003年5月3日付の全英シングルチャートで初登場7位となり[15]、6週チャート圏内に入った[1]。また、2012年にも再ヒットし、6月2日付の全英シングルチャートで71位を記録した[16]

アメリカでは総合チャートのBillboard Hot 100で76位に達し、『ビルボード』のモダン・ロック・チャートでは1位、メインストリーム・ロック・チャートでは12位を記録[4]。オーストラリアでは2003年6月22日付のシングル・チャートで17位を記録し、4週連続でトップ50入りした[2]

本作は後年、ヨーロッパ諸国でもヒットしている。イタリアでは2006年7月27日付のシングル・チャートで初登場4位となり、翌週に3位を記録[5]。スイスでは2008年6月29日付のシングル・チャートで初登場18位となり[6]、7月13日には3位を記録した[17]

評価

グラミー賞では、作者のジャック・ホワイトが最優秀ロック・ソング賞を受賞した[4]

ローリング・ストーン』誌が選出した「オールタイム・グレイテスト・ソング」(2021年版)では36位にランク・イン[18]。また、同誌が2011年に選出した「2000年代のベスト・ソング100」では6位となった[19]

MusicRadarが2010年に選出した「過去10年間の偉大なギター・リフ50」では7位にランク・インしている[20]

収録曲

  1. 7 Nation Army (Jack White) - 3:51
  2. Good to Me (Brendan Benson, Jason Falkner) - 2:06
  3. Black Jack Davey (Traditional) - 5:06

大衆文化への影響

スポーツ

本作はサッカー・ファンに人気の高い曲として知られる。その起源は、2003年10月22日にクラブ・ブルッヘのサポーターがミラノのバーでUEFAチャンピオンズリーグ 2003-04(対ACミラン戦)を観戦していた際、この曲を大合唱したことだとされている[21]

2006年のFIFAワールドカップでは、優勝を決めたイタリア代表の選手達が合唱し、その後、7月11日に行われたローリング・ストーンズミラノ公演にマルコ・マテラッツィアレッサンドロ・デル・ピエロが飛び入りして、観客と一緒に「セヴン・ネイション・アーミー」を合唱した[22]。また、2008年にスイスとオーストリアで共同開催されたUEFA EURO 2008では試合前の入場曲に使用された[23]EURO2012EURO2016でもゴール後のアンセムとして使用され観客やサポーターが合唱している。EURO2016フランス大会ではパリ出身のDJであるデヴィッド・ゲッタによるリミックスしたバージョンが使用されている[24]2018年FIFAワールドカップでは1994年から長年(2002年を除く)大会で用いられた公式入場曲のFIFAアンセムに代わって試合前の入場曲として使用された。

この曲はサッカー以外のスポーツでも頻繁に使用された。例として、2011年にはNFLボルチモア・レイブンズがホームの試合前に使用するようになった[25]。また、2013年にはNHLニュージャージー・デビルスのゴール・ソングに選ばれている[26][27]

他メディアでの使用例

「セヴン・ネイション・アーミー」は2010年の音楽ゲーム『Guitar Hero 3: Warriors of Rock』で使用された[28]。また、映画『G.I.ジョー バック2リベンジ』の予告編ではThe Glitch Mobによるリミックス・ヴァージョンが使用された[29]。2016年6月13日に公開されたBattlefield 1の公式トレーラーでも使用されている。また2016年に公開された『スーサイド・スクワッド』でも使用されている。

その他

2014年5月9日、ハンブルク港開港825周年のイヴェントの一環として、MSCクルーズの客船MSC マニフィカの汽笛により「セヴン・ネイション・アーミー」が演奏された[30]

カヴァー

セヴン・ネイション・アーミー
ベン・ロンクル・ソウル英語版シングル
初出アルバム『ベン・ロンクル・ソウル』
リリース
規格 デジタル・ダウンロード
CDシングル
ジャンル ソウルファンク
時間
レーベル モータウン
作詞・作曲 ジャック・ホワイト
チャート最高順位
ベン・ロンクル・ソウル英語版 シングル 年表
セヴン・ネイション・アーミー
(2010年)
ソウルマン
(2011年)
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セヴン・ネイション・アーミー
マーカス・コリンズ英語版シングル
初出アルバム『Marcus Collins』
リリース
規格 デジタル・ダウンロード
CDシングル
ジャンル ポップスソウルファンク
時間
レーベル RCAレコード
作詞・作曲 ジャック・ホワイト
プロデュース Matt Furmidge, Alex Smith, Brian Rawling
チャート最高順位
  • 9位(イギリス[35]
マーカス・コリンズ英語版 シングル 年表
Wishing on the Star
(2011年)
Seven Nation Army
(2012年)
Mercy
(2012年)
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ベン・ロンクル・ソウルによるカヴァー

フランスの歌手ベン・ロンクル・ソウル英語版は、2009年のデジタルEP『Soul Wash』で「セヴン・ネイション・アーミー」のカヴァーを発表[36]。続いて、2010年のフルレングス・アルバム『ベン・ロンクル・ソウル』にも収録され、同作からのリード・シングルにも選ばれた[37]

Jason Birchmeierはオールミュージックにおいて、彼のヴァージョンを「オリジナルに忠実である一方、1960年代のモータウンスタックスのサウンドに由来したレトロ・ソウル的なスタイルのアプローチとなっている」と評している[38]

マーカス・コリンズによるカヴァー

イギリスの歌手マーカス・コリンズ英語版は、オーディション番組『Xファクター』の第8シーズンで準優勝し、RCAレコードとの契約を得て、デビュー・アルバム『Marcus Collins』(2012年)からのリード・シングルとして「セヴン・ネイション・アーミー」のカヴァーを発表した[39]。コリンズのヴァージョンは2012年3月17日付の全英シングルチャートで初登場9位となり[40]、6週チャート圏内に入った[35]

コリンズのヴァージョンに対しては、ザ・ホワイト・ストライプスのファンからの批判も多かったが、コリンズ自身は「僕はこの曲を研究して、それ以外にもザ・ホワイト・ストライプスの音楽をたくさん聴いた。だからイライラする人達のことも分かる」「全く違うジャンルなんだよ」とコメントしている[41]

その他のカヴァー

脚注

  1. ^ a b WHITE STRIPES | Official Charts Company - 2015年3月27日閲覧
  2. ^ a b australian-charts.com - The White Stripes - 7 Nation Army
  3. ^ dutchcharts.nl - The White Stripes - 7 Nation Army - austriancharts.at
  4. ^ a b c Elephant - The White Stripes | Awards | AllMusic
  5. ^ a b italiancharts.com - The White Stripes - 7 Nation Army
  6. ^ a b The White Stripes - 7 Nation Army - hitparade.ch
  7. ^ The White Stripes | Single-Chartverfolgung - musicline.de
  8. ^ The White Stripes - 7 Nation Army - austriancharts.at
  9. ^ lescharts.com - The White Stripes - 7 Nation Army
  10. ^ Images for White Stripes, The - 7 Nation Army - イギリス盤CDシングルの画像
  11. ^ a b c 20 Things You Might Not Know About 'Seven Nation Army' | NME.COM - article by Dan Martin - 2014年8月16日閲覧
  12. ^ The White Stripes Playing 'Seven Nation Army' On Their Final Tour | Rolling Stone - 2014年8月16日閲覧
  13. ^ ホワイト・ストライプス、あの名曲はシングル・カットされなかったかも | The White Stripes | BARKS音楽ニュース - 2014年8月16日閲覧
  14. ^ Brendan Benson - Alternative To Love - Uncut.co.uk - 2014年8月16日閲覧
  15. ^ Official Singles Chart Top 100 | 27-04-2003 - 03-05-2003 | Official Charts Company - 2015年3月27日閲覧
  16. ^ Official Singles Chart Top 100 | 27-05-2012 - 02-06-2012 | Official Charts Company - 2015年3月27日閲覧
  17. ^ Schweizer Hitparade - Singles Top 75 13.07.2008 - hitparade.ch
  18. ^ The 500 Greatest Songs of All Time” (英語). Rolling Stone (2021年9月15日). 2021年12月21日閲覧。
  19. ^ The White Stripes, 'Seven Nation Army' - 100 Best Songs of the 2000s | Rolling Stone - 2014年8月16日閲覧
  20. ^ The 50 Greatest Guitar Riffs of The Decade - The White Stripes - Seven Nation Army”. MusicRadar. Future Publishing Limited (2010年10月8日). 2015年4月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月25日閲覧。
  21. ^ Why Italy fans sing the pop anthem 'Seven Nation Army' by The White Stripes - Goal.com - article by Mark Doyle - 2014年8月16日閲覧
  22. ^ ストーンズのイタリア公演にW杯の優勝選手が登場 | The Rolling Stones | BARKS音楽ニュース - 2014年8月16日閲覧
  23. ^ Seven Nation Army: the indiest football anthem ever? | Music | theguardian.com - 2014年8月16日閲覧
  24. ^ 【UEFA EURO 2016】David Guettaがテーマ曲なんて熱い試合に決まっている CHO-GOUTEKI 公式サイト 2016年7月2日閲覧
  25. ^ "Seven-Nation Army" is Ravens new in-game chant - Baltimore Sports Report - 2014年8月16日閲覧
  26. ^ Seven Nation Army vote new goal song - New Jersey Devils - News - 2014年8月16日閲覧
  27. ^ Flyers 1, Devils 0 - Chicago Tribune - 2014年8月16日閲覧
  28. ^ From Aerosmith to ZZ Top, It's the final setlist for Guitar Hero: Warriors of Rock | GamesRadar - 2014年8月16日閲覧
  29. ^ Cinematic Melodies - 'Seven Nation Army' by The White Stripes - Jacksonville Movie | Examiner.com - 2014年8月16日閲覧
  30. ^ Cruise ship MSC Magnifica plays Seven Nation Army on its HORN for 825th Hamburg port anniversary | Mail Online - 2014年8月16日閲覧
  31. ^ ultratop.be - Ben L'Oncle Soul - Seven Nation Army
  32. ^ charts.de
  33. ^ Ben L'Oncle Soul - Seven Nation Army - hitparade.ch
  34. ^ dutchcharts.nl - Ben L'Oncle Soul - Seven Nation Army
  35. ^ a b MARCUS COLLINS | Official Charts Company - 2015年3月27日閲覧
  36. ^ Soul Wash - Ben l'Oncle Soul | AllMusic - Review by Jon O'Brien
  37. ^ Ben l'Oncle Soul | Biography | AllMusic - Artist Biography by Jason Birchmeier
  38. ^ Ben l'Oncle Soul - Ben l'Oncle Soul | AllMusic - Review by Jason Birchmeier
  39. ^ Marcus Collins | Biography | AllMusic - Artist Biography by Andy Kellman
  40. ^ Official Singles Chart Top 100 | 11-03-2012 - 17-03-2012 | Official Charts Company - 2015年3月27日閲覧
  41. ^ Marcus Collins slams Cher Lloyd as 'Seven Nation Army' debuts at No.9 in U.K. - National The X Factor - Examiner.com - article by Carla Hay - 2014年8月16日閲覧
  42. ^ LateNightTales - The Flaming Lips | AllMusic - Review by Heather Phares
  43. ^ ハード・ファイ、初のDVDを発売 | HARD-Fi | BARKS音楽ニュース - 2014年8月16日閲覧



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