スターンとレビソンによる Λ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 18:19 UTC 版)
「軌道近くから他の天体を排除」の記事における「スターンとレビソンによる Λ」の解説
アラン・スターンとハロルド・レビソンによる2002年の論文では、惑星がその周辺の領域を支配しているかどうかを決定するためのアルゴリズムの探索が行われた。彼らは、ある天体が宇宙の年齢 (ハッブル時間) と同じ期間の間にその軌道領域から小天体を散乱する能力を表す指標として、 Λ {\displaystyle \Lambda } を定義した。 Λ {\displaystyle \Lambda } は以下の式で定義される無次元量である。 Λ = m 2 a 3 2 k {\displaystyle \Lambda ={\frac {m^{2}}{a^{\frac {3}{2}}}}\,k} ここで m {\displaystyle m} はある天体の質量、 a {\displaystyle a} は天体の軌道長半径、 k {\displaystyle k} は散乱されている小天体の軌道要素の関数であり、小天体が散乱される度合いを示す量である。太陽系の惑星が存在している領域では、太陽から特定の距離にある小天体の k {\displaystyle k} の平均値にはほとんど違いは無い。 Λ > 1 {\displaystyle \Lambda >1} の場合、天体はその軌道領域から小天体を排除している可能性が高い。スターンとレビソンはこの判別式を用いて、太陽を公転している静水圧平衡にある天体を、「周囲にある微惑星を排除するのに十分なほど力学的に重要」である überplanets と、そうでない unterplanets に分割した。ここで überplanets は太陽を公転する8つの重い天体 (すなわち IAU が定義した惑星)、unterplanets はそれ以外 (その後の IAU の定義における準惑星) に相当する。ただしこの基準はある天体が惑星か否かを判断するためのものではなく、惑星をその力学的な性質に基づいた下位カテゴリーに分類する際の基準として提案されたものであることに注意が必要である。彼らの論文中では惑星天体 (planetary body) としての条件は質量のみが提案されており、内部で核融合を過去も現在も起こせないほど低質量で、天体の形状が主に重力によって決まっている、つまり静水圧平衡の状態に到達できる程度の質量があることの2つが惑星天体であるための条件として提案されている。
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