スタント一辺倒時代とゆっくりズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/03 21:29 UTC 版)
「ムサシノ模型飛行機研究所」の記事における「スタント一辺倒時代とゆっくりズム」の解説
スタント機とは、規定のパターンを正確に飛行し、その技量を競うスタント競技に使用することを目的としたRC機のことである。 1980年代、RC機の世界は主として大型で高速に飛行するスタント機を中心にしたものであったが、上述のように、危険性と騒音で各地のRC機飛行場は閉鎖を余儀なくされつつあった。 1986年5月、当時最も有力だった月刊誌『ラジコン技術』にて、あるRC機入門記事が掲載された。その内容は RC機を始めるならば、専用飛行場でベテランの指導の下に始めること、さもないと100%墜落する 入門機としては、中型サイズのエルロンを主舵とする機体がよく、小型のモーターグライダー的練習機は操縦性が悪く不適当 等といったもので、ムサシノ模型飛行機研究所の主張とは真っ向から対立するものであった。 館林重雄は、ラジコン技術編集部には記事内容が入門者向けとして不適切であり、営業部には小型のモーターグライダー的な入門機を製造しているメーカーとしては営業妨害に当たるとして強く抗議した。 その後ラジコン技術編集部と3回にわたる会談の末和解し、今度は館林重雄が、ムサシノ模型飛行機研究所の主張する方法でのRC機入門記事を執筆することとなった。この記事は1986年7月号に掲載された。 記事の内容は、特に経験者からの指導を受けられず、独学で入門するしかない初心者にも安全に練習できるよう配慮されたもので、この記事の後、ムサシノ模型飛行機研究所には郡部、山間部と思われる住所のファンレターが増えたという。 皮肉にも、これら一連の事件により、ムサシノ模型飛行機研究所の提唱する『ゆっくりズム』が広く知られることとなり、わずかに遅れて出版された『軽ラジコン機入門』およびムサシノ鳥シリーズと呼ばれる製品群の販売促進に貢献することになった。
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