シュウ酸ジフェニルとは? わかりやすく解説

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しゅう酸ジフェニル

分子式C14H10O4
その他の名称Diphenyl=oxalate、Diphenyloxalate、Oxalic acid diphenyl ester、シュウ酸ジフェニル
体系名:ジフェニル=オキサラート、ジフェニルオキサラート、しゅう酸ジフェニル


シュウ酸ジフェニル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/04 20:39 UTC 版)

シュウ酸ジフェニル
IUPAC名diphenyl oxalate
別名エタン二酸ジフェニル
サイリューム®
DPO
分子式C14H10O4
分子量242.227
CAS登録番号3155-16-6
融点136 °C
SMILESO=C(Oc1ccccc1)C(=O)Oc2ccccc2

シュウ酸ジフェニル(しゅうさんジフェニル、diphenyl oxalate)は、シュウ酸フェニル基が2つ結合した構造を持つ有機化合物である。ジエステルの一種。シュウ酸ジフェニルまたはその誘導体は、ケミカルライト(冷光)などの化学発光に使われる有名な化合物群である。

合成

シュウ酸ジメチルフェノールを加えて加熱すると、エステル交換反応が起こりシュウ酸ジフェニルが生成する。通常はルイス酸などの触媒を加える[1]

シュウ酸ジフェニルを使う化学発光の機構

シュウ酸ジフェニルと蛍光色素 (dye) との混合物に過酸化水素(濃度約35%)が混ざると、シュウ酸ジフェニルが過酸化水素で酸化されながら分解し、2分子のフェノールと1分子の過シュウ酸エステル (ROOC-COOOH) が生じる。過シュウ酸エステルはさらに酸化を受けて 1,2-ジオキセタンジオン(図の四員環化合物)となる。1,2-ジオキセタンジオンは自発的に分解して2分子の二酸化炭素に変わるが、このときに蛍光色素にエネルギーを与えて励起させる[2]。励起された蛍光色素はエネルギーを光 () として放出しながら基底状態に戻る。この光の波長、すなわち目に見えるは蛍光色素の分子構造に依存する。例えば 9,10-ジフェニルアントラセンを添加しておくと青い光が、ルブレンを添加しておくと橙色の光が観測される。

関連項目

参考文献

  1. ^ 例: Biradar, A. V.; Umbarkar, S. B.; Dongare, M. K. Appl. Catal., A: General 2005, 285, 190-195. DOI: 10.1016/j.apcata.2005.02.028
  2. ^ Rauhut, M. M. Acc. Chem. Res. 1969, 2, 80.




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