シトロエン・タイプHとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > シトロエン・タイプHの意味・解説 

シトロエン・タイプH

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/14 06:53 UTC 版)

タイプH: Type H、ティープ アッシュ)は、フランス自動車メーカー、シトロエンによって1947年から1981年まで生産・販売されていた貨物自動車である。

シトロエン・タイプH
: H型
最終型 標準ホイールベース (フロント)
最終型 標準ホイールベース (リヤ)
最終型 内装(座席は換装されている)
概要
製造国 フランス
ベルギー
販売期間 1947年 - 1981年
ボディ
乗車定員 2名
ボディタイプ 2ドア トラック
4ドア ウォークスルーバン
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動 (FF)
パワートレイン
エンジン ガソリン
→ 1.6L 直列4気筒OHV (1963年 - 1981年)
1.9L 直列4気筒OHV (1947年 - 1981年)
ディーゼル
1.6L 直列4気筒OHV (1961年- 1964年)
→ 1.8L 直列4気筒OHV (1964年 - 1968年)
1.9L 直列4気筒OHV (1968年 - 1981年)
最高出力 ガソリン
1.6 L : 45 ps / 4,200 rpm
1.9 L : 58 ps / 4,500 rpm
ディーゼル
1.6 L : 42 ps / 3,600 rpm
1.8 L : 50 ps / 4,000 rpm
1.9 L : 57 ps / 4,000 rpm
変速機 3速 MT
フロント:ダブルウィッシュボーン式
リヤ:トレーリングアーム式
フロント:ダブルウィッシュボーン式
リヤ:トレーリングアーム式
車両寸法
ホイールベース 右:2,536 mm
左:2,500 mm
全長 4,260 mm
全幅 1,990 mm
全高 H,HY 2,300 mm HZ 2,285 mm
車両重量 H:1,500 kg :HZ1450 kg
最大積載量 H : 1,200 kg
HZ : 850 kg → 1,000 kg
HY : 1,500 kg → 1,600 kg
H1200 : 1,200 kg
H1600 : 1,600 kg
HX : 3,100 kg
HW : 3,200 kg
その他
総生産台数 473,289 台
系譜
先代 シトロエン・TUB/TUC英語版
テンプレートを表示

概要

駆動方式は当時の商用車としては画期的な前輪駆動方式で、それをさらに生かすプラットフォーム型シャーシトレーリングアーム式サスペンション(リア)との組み合わせを持つ。荷室の床は低く平らで天井も高く、荷室は広大である。また特徴的な波板プレスの外板は、軽量化と生産設備および工程の簡略化、車体強度の両立に一役買っていた。

1947年から1981年までの34年間で47万3,289台が生産された。フランスのほか、ベルギーの工場でも生産された。後継はフィアット・デュカトベースのC25である。

仕様

エンジントランスミッション等の多くの部品を同時期の乗用車シトロエン・トラクシオン・アバンDSなどと共用しているが、その位置関係は両車と180度異なり、車室前方中央部にはエンジンカバーが張り出している。トランスミッション直上のフレームに取り付けられたシフトレバーは、運転席の真横にほぼ直立した状態で配置されており、1967年中頃を境にシフトパターンが左側1速と後退から、2速と3速へ変更されている。ヘッドランプターンシグナルレバーおよび灯火類のレンズ、コンビネーションスイッチを2CV、速度計をトラクシオンアバンと2CV、前開きドアのアウターハンドルをトラクシオンアバン、後ろ開きドアのインナーハンドルや各種電装系スイッチをDSなどと共用するなど、シトロエンらしい合理性も見られる。

FFの駆動機構と横置きトーションバーのコンパクトな独立懸架装置が荷室に干渉せず架装性が良いことから、有蓋および無蓋の貨物車をはじめ、救急車マイクロバスキャンピングカー移動販売車現金輸送車車両積載車家畜運搬車、クレーン車等、様々なバリエーションが生まれ、フランスをはじめ各国で活躍した。救急車や車両積載車の中にはリアのみハイドロニューマチック・サスペンションとしたものがあるが、サスペンションシリンダー内の油圧を制御するハイトコントロールバルブはセルフレベリングのみに機能し、他のハイドロニューマチックサスペンション車両のように運転席から任意に車高を調整することは出来ない。1968年以後、仕向け地によってフロントドアヒンジが前側に変更されており、その場合はステップ形状の前側を厚くし傾斜させ乗降性に配慮している。最終モデルでも後ろヒンジ(スーサイドドア)のほうが多かった。イギリスのスラウ工場で極少数の右ハンドル仕様試作されている。

関連項目

脚注

参考文献

外部リンク

<- Previous シトロエン ロードカータイムライン 1980年代-
タイプ 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 1 2 3
ハッチバック 2CV
LN / LNA AX C1 I C1 II
ヴィザ サクソ C2
C3 I C3 II C3 III
DS3 DS3クロスバック
C4エアクロス
GSA ZX クサラ C4 I C4 II C4 III
オープン DS3カブリオ
セダン BX エグザンティア C5 I C5 II
CX XM C6
ミニバン C15 ベルランゴ ベルランゴ II
C3ピカソ
クサラピカソ
C4ピカソ I C4ピカソ II
エバシオン C8 I C8 II C8 III
オフローダー メアリ
クロスオーバーSUV Cクロッサー
DS4 DS4
DS5
ハイブリッドカー C-ZERO
EV Eメアリ
アミ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  シトロエン・タイプHのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「シトロエン・タイプH」の関連用語

シトロエン・タイプHのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



シトロエン・タイプHのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのシトロエン・タイプH (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS