システム7 (バンド)とは? わかりやすく解説

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システム7 (バンド)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/21 04:29 UTC 版)

システム7
System 7
アルバム『フェニックス』を演奏するシステム7 (2008年2月 ロンドンのクラブ・ヘヴン)
基本情報
出身地 イギリス
ジャンル テクノトランスアンビエント
活動期間 1991年 -
レーベル A-Wave
共同作業者 ゴング
公式サイト www.a-wave.com/system7/
メンバー スティーヴ・ヒレッジ
ミケット・ジローディ

システム7System 7)は、イギリステクノ、あるいはトランスアンビエントなどの要素を内包するユニット(もしくはバンド)。アメリカでは同名のMac OSと名前が被るので使用できず、現地のレーベルから発売された1st、および3rdアルバムは777と名乗っている(2ndアルバムと非常に紛らわしい)。

概要

履歴

スティーヴ・ヒレッジとその妻であるミケット・ジローディ(両名とも元ゴングのメンバー)によって結成されたエレクトロニック・ダンス・ミュージック・バンドである。ヒレッジはロンドンのクラブ「ヘヴン」において、ジ・オーブアレックス・パターソンがヒレッジのアルバム『レインボウ・ドーム・ミュージック』(1979年)をDJプレイで利用していたのを聴き、それをきっかけにパターソンと親交を深めた[1]。そして、パターソンからアンビエント・ハウス作品の録音を勧められたことからシステム7を結成[1]。ユニット名の由来は、1977年にリリースされたヒレッジのアルバム『モチヴェイション・ラジオ』の型番"V2777"からだといわれている。

システム7は様々なアーティストとのコラボレーションを実施している。特にデトロイト・テクノの代表的存在であるデリック・メイとはバンド結成初期から深い交流を持ち、1990年代以降は新曲を一切発表していないデリックに、共同とはいえ1990年代後半まで作曲活動を行わせたことは特筆すべきである。デリックとの作品は2002年に『ミステリアス・トラベラー』として1枚のCDにまとめられた。他にもカール・クレイグローラン・ガルニエなど、テクノのアイコン的存在のアーティストとは1990年代中期に多くのコラボレーションを行った。その中でもアレックス・パターソンは、バンド結成初期からシステム7に関わり続ける唯一の人物である。また、かつてのゴングのリーダーであったデヴィッド・アレンも一部の作品に参加している。

リミックスも多数存在し、それらを集めた1996年のアルバム『システム・エクスプレス』がある。これに収録されている「Alpha Wave」のPlastikman名義でのリミックスは、リミックスでありながら本人達が大いに気に入り、オリジナルを差し置いてライブで必ず演奏される定番曲となった。2007年のシングル「Hinotori」には、元々約10分の曲であったものを20分に拡大したバージョンが収録されている。

音楽性の流動

その音楽性は時期によって大きく変化している。結成直後の作品は、多数のアーティストたちとのコラボレーション、という意味も含めて同時期のシェイメンに近かった。しかし1994年、テクノの躍動感を強調した「Fire」と、静謐なアンビエント「Water」の2枚にミックスを分けたアルバム『Point 3』を発表し、当時盛り上がりがピークを迎えていたテクノ・シーンへと急速に接近。1995年の『パワー・オブ・セブン』では、ノイ!や、『E2-E4』のリミックスである「Sueño Latinoeno Latino」をサンプリングし使用している。このアルバムは名門レーベルであるR&Sにもライセンスされた。1997年のアルバム『ゴールデン・セクション』ではドラムンベースを試み、また、1976年のヒレッジのアルバム『L』からのサンプリングも行われた。

2000年に自らのレーベルであるA-Waveを立ち上げ、以後作品はこのレーベルから発表されるようになる。2001年に発表された『セブンス・ウェイブ』では激しく美しいトランス・テクノを基に、それまでの要素が散りばめられた集大成的なアルバムである。2004年の『エンカンタドー』ではよりサイケデリック的な色を強め、2007年現在の路線もこの延長線上にある。

システム7にはそぐわないアンビエント、チル・アウト、ダウンテンポ的な音楽は2005年に始動したミラー・システム(Mirror System)名義に分離した。他にもGroovy Intent名義での作品も存在する。

2007年には手塚治虫の漫画『火の鳥』に触発され、先行シングル「Hinotori」を、続いてアルバム『フェニックス』を発表[2][3]

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

  • 『システム7』 - System 7 (1991年)
  • 『777』 - 777 (1993年)
  • 『ファイア』 - Point 3 - Fire Album (1994年)
  • 『ウォーター』 - Point 3 - Water Album (1994年)
  • 『パワー・オブ・セブン』 - Power of Seven (1996年)
  • 『ゴールデン・セクション』 - Golden Section (1997年)
  • 『セブンス・ウェイブ』 - Seventh Wave (2001年)
  • 『エンカンタドー』 - Encantado (2004年)
  • 『フェニックス』 - Phoenix (2008年)
  • 『Up』 - Up (2011年)
  • 『Phoenix Rising』 - Phoenix Rising (2013年) ※with ROVO
  • 『X-ポート』 - X-Port (2015年)
  • 『Cafe Seven』 - Cafe Seven (2018年) ※ミラー・システムと連名
  • 『フィールド・オブ・ドリームス』 - Field of Dreams (2020年)

ミラー・システム名義

  • 『ミラー・システム』 - Mirror System (2006年)
  • Reflector - DJ Mix (2010年)
  • 『N-ポート』 - N-Port (2015年)

北米でリリースされたアルバム

777名義

  • 777 (1992年) ※1stアルバムとほぼ同内容。ジャケットにはアンモナイトが写っている。曲順の変更および2曲が追加収録されている
  • Point 3|System 7.3: Fire + Water (1995年) ※2枚のアルバム『Point 3』を2枚組のセットにしたもの

コンピレーション・アルバム

  • Excursions In Ambience (A Collection Of Ambient-House Music) (1994年)
  • Excursions In Ambience (The Fourth Frontier) (1995年)
  • 『システム・エクスプレス』 - System Express (1996年)
  • 『ミステリアス・トラベラー』 - Mysterious Traveller (2002年) ※システム7×デリック・メイ名義
  • Planet 7 (2006年) ※iTunes Storeのみでの販売
  • System 7 - Classics (2010年) ※iTunes Storeのみでの販売
  • 『アウト』 - Out (2014年)
  • 『N+X』 - N+X (2015年) ※『N-Port』と『X-Port』からのコンピレーション。ミラー・システムと連名

ライブ・アルバム

  • Live Transmissions (2006年)

シングル、EP

  • Sunburst (1990年)
  • Habibi (1991年)
  • Freedom Fighters (1991年)
  • Miracle (1991年)
  • 7:7 Expansion (1992年)
  • Altitude (featuring Ultra Naté) (1992年)
  • Sinbad/Quest (1993年)
  • Alpha Wave (1995年)
  • Hangar 84 (1996年)
  • Interstate (1996年)
  • Rite of Spring (1997年)
  • Ring of fire (1998年)
  • 「ボロブドゥール - シングル・リミックス」 - Borobudur (1998年)
  • High Planes Drifter (2001年)
  • Planet 7 (2004年)
  • Love Mission - Mission LoveI MoveTeotihuacanOm Rock (2004年) ※Groovy Intent名義。ダウンロードのみでの販売。EP
  • 「Hinotori」 - Hinotori (2007年)
  • Space Bird (2008年)
  • AlphaWave/HPD (2010年)
  • 「Passion」 - Passion (2012年)
  • Hinotori (2013年) ※with ROVO

出典

外部リンク



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