サルトーリによる一党制の概念
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/18 01:02 UTC 版)
「一党制」の記事における「サルトーリによる一党制の概念」の解説
ジョヴァンニ・サルトーリが提唱した政党システム論は、一党制の拡張的用法を拒否し、厳格に一党だけのシステムにのみ適用する。一党制とは、一つの政党以外が存在を許されないシステムである。それは、一つ以上の政党があるヘゲモニー政党制や、制度的に競合が保障されている一党優位政党制と区別される。 実際の分類では、一党制とヘゲモニー政党制との境界は微妙な場合がある。憲法や法律で一党制が規定されていれば、一党制と判断できる。有力野党が非合法化され、弾圧があっても、ほかの野党がわずかな議席を持っているならば、それは一党制ではなくヘゲモニー政党制である。しかし弾圧によって力のある野党が除去され、結果として議席のすべてを一党が占めている場合に、小政党が認められているのかどうかの判定は、概念的にも資料入手の点でも難しい。 サルトーリは、この一党制をさらに分類して、全体主義一党制、権威主義一党制、プラグマティック一党制を提唱した。しかしこの用語法は普及していない。理由の一つは、全体主義概念の未確定にある。
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