サイバーパンクの系譜
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 06:47 UTC 版)
「サイバーパンク」の記事における「サイバーパンクの系譜」の解説
「サイバーパンク」というジャンルを打ち立てた作品としては、前出のギブスン「ニューロマンサー」を始めとするスプロール・シリーズ(電脳空間三部作)がまず挙げられる。 日本語への翻訳では、黒丸尚がルビを多用した独特の文体を用いた。また柾悟郎はこの特徴的な文体を活用して『ヴィーナスシティ』を書いた。 ジェイムズ・ティプトリー・Jr.の小説『接続された女』はサイバーパンクの成立以前(1974年)に書かれた作品だが、後にサイバーパンクの先駆的作品として認められるようになった。また、フィリップ・K・ディックの小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』も同様に作品(小説)自体はサイバーパンクとは見なされていないが、これを原作とした1982年の映画『ブレードランナー』において描かれた退廃的で無国籍な人口過密の大都市、空飛ぶ車(スピナー)、高度な科学技術で作られた人造人間(レプリカント)等のビジュアル・舞台設定は、後発の創作に多大な影響を与え、「サイバーパンクとは『ブレードランナー』のような近未来社会を描いた作品である」と形容されることもある。 トマス・ピンチョンの『V.』『重力の虹』なども前サイバーパンク的小説といえる。これらは時代設定的に高度ネットワークをもたない世界を描いた作品であるが、機械との半融合、システムと人間など、サイバーパンクのテーマに連なる内容が特徴である。
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