サイドサドル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 15:40 UTC 版)
サイドサドル(Sidesaddle)とは、スカートを履いた女性が馬背に「跨がる」のを避けるため、乗馬の際に騎乗者の胴体を進行方向に向けず、馬背に横向きに坐り、頭部のみを進行方向に向ける、女性固有の騎乗姿勢およびそれに用いられる鞍を言う。現代のサイドサドルはホーンと呼ばれる二つの突起を備えており、騎手は脚でこれをはさみこむことで騎座を安定させる。競技会など公式な場では左に坐るが、プライベートな場では右でも許される。 サイドサドルによってタイトスカートでも騎乗することができるが、騎手は身体を常にねじった状態であるため、腰から背部を傷めることが多く、馬体の両側に対して脚で扶助を行うことができないので、脚の置かれない側は長鞭を使って補助としなくてはならない。また片側に多く負荷がかかるので馬にとっても悪影響がある。 かつては女性にとって必須の乗馬作法であったが、女性の社会進出と平等感の浸透により、女性も跨がって騎乗することが普通となっている。現在では伝統的な競技会(サイドサドル部門が設けられている)や貴族以外ではする者はいなくなった。また北米では当初からサイドサドルを使う文化が無く、競馬の女性騎手も跨がって騎乗している。
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