ゴールド・ディガーとは? わかりやすく解説

ゴールドディガー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/04 06:04 UTC 版)

ゴールドディガー
欧字表記 Gold Digger
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 1962年5月28日[1][2]
死没 1990年2月21日[c 1]
Nashua
Sequence
母の父 Count Fleet
生国 アメリカ合衆国
ケンタッキー州
生産者 Leslie Combs II & Brownell Combs
馬主 Mrs. Leslie Combs II
調教師 Jouette Reed
競走成績
生涯成績 35戦10勝[3]
獲得賞金 127,255ドル[2]
テンプレートを表示

ゴールドディガーGold Digger1962年5月28日 - 1990年2月21日)は、アメリカ合衆国競走馬、および繁殖牝馬。大種牡馬ミスタープロスペクターの母として知られる。

経歴

出自

ゴールドディガーは、1962年にレスリー・コムズ2世の所有するスペンドスリフトファームで生まれた。父ナシュアアメリカ二冠馬、母シークエンスはプリンセスパットステークス勝ちのある牝馬で、ともにスペンドスリフトファームに繋養されていた馬であった。

「Gold Digger」は「金鉱掘り」を意味する言葉だが、「男を踏み台にのし上がっていく女」[c 2]「資産目当てに近づく女」[2]というスラングゴールドディギングを参照)でもある。ゴールドディガーの父・ナシュアの所有者であったウィリアム・ウッドワード・ジュニアは、ナシュアが現役中だった1955年に、妻に強盗と間違って射殺されている。この事故は、実は故意の殺人であったという噂が立てられ、小説のモデルにまでなり、最終的には夫人も自殺している(ウィリアム・ウッドウォード・ジュニア射殺事件)。このため、ナシュア産駒のゴールドディガーという馬名は、ウッドワード夫人を皮肉ったものとも考察された[c 2]

主な勝鞍

ゴールドディガーはコムズ夫人名義のもと、競走馬として1964年にデビュー、1966年の引退までに35戦10勝、ステークス競走5勝を挙げた。特にギャロレットステークスは連覇している。ほか、1965年のケンタッキーオークスにも出走し、アメリヴァンの2着に入っている[2][3]デイリーレーシングフォームによるフリーハンデキャップにおいては、1965年・1966年の競走成績にそれぞれ115ポンドの評価が与えられている[2]

※当時はグレード制未導入。

1964年(2歳)
3着 - メイトロンステークス
1965年(3歳)
ギャロレットステークス、マリーゴールドステークス、ヨータンビエンハンデキャップ
2着 - ケンタッキーオークス
1966年(4歳)
ギャロレットステークス(連覇)、コロンビアナハンデキャップ

繁殖成績

1967年から故郷のスペンドスリフトファームで繁殖入りした。ゴールドディガーは生涯で12頭の競走馬を産んでおり、そのうち7頭が勝ち上がっている[2]。ゴールドディガーの名にちなんで、ゴールドラッシュなどに関連した名前を付けられた子が多い。

ゴールドディガーの代表産駒となった1970年生のミスタープロスペクターは、繁殖入りから3年目に受胎した父レイズアネイティヴの牡馬であった。同馬は競走馬としてグレーヴセンドハンデキャップなどに勝ち、後に種牡馬入りしてからアメリカ競馬界を席巻する成績を残した。現在なお主流血統であるミスタープロスペクター系を介して、ゴールドディガーの名前は多くの名馬の血統表中に表記されている。

ミスタープロスペクターのほかにも、第10子のリリアンラッセル(父プリンスジョン)がステークス競走で勝ちを挙げている。また、第5子のマートルウッドラス(父リボー)は競走成績こそ一般戦2勝どまりであったが、牝系として2代先にチーフベアハート、3代先にオウケンブルースリを出している。

また、ミスタープロスペクターが成功したことから兄弟の価格も高騰し、種牡馬として繁殖入りしたものも多い。なかでもミスタープロスペクターの全弟にあたる第6子ケンタッキーゴールドは、1974年のキーンランドイヤリングセールにおいて625,000ドルという、当時のレコード価格で取引された[c 1]。しかし競走馬としては4戦1勝と結果を残せず、種牡馬としても唯一の活躍馬にプエルトリコのG1馬Golden Tumigaがいる程度である。

1984年に繁殖牝馬を引退した。それから6年後の1990年2月21日、ゴールドディガーは老衰による衰弱のため、安楽死の処分が施された。28歳であった。遺骸は同牧場内の一角に埋葬されている[c 1]

血統表

ゴールドディガー血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ナスルーラ系
[§ 2]

Nashua
1952 鹿毛 アメリカ
父の父
Nasrullah
1940 鹿毛 イギリス
Nearco Pharos
Nogara
Mumtaz Begum Blenheim
Mumtaz Mahal
父の母
Segula
1942 鹿毛 アメリカ
Johnstown Jamestown
La France
Sekhmet Sardanapale
Prosopopee

Sequence
1946 鹿毛 アメリカ
Count Fleet
1940 青鹿毛 アメリカ
Reigh Count Sunreigh
Contessina
Quickly Haste
Stephanie
母の母
Miss Dogwood
1939 黒鹿毛 アメリカ
Bull Dog Teddy
Plucky Liege
Myrtlewood Blue Larkspur
Frizeur
母系(F-No.) フリゼット系(FN:13-c) [§ 3]
5代内の近親交配 Sir Gallahad III・Bull Dog3×5=15.63% [§ 4]
出典
  1. ^ [4], [5], [1]
  2. ^ [5]
  3. ^ [4], [5], [6]
  4. ^ [5]


参考文献

  1. ^ a b c Lucy Zeh p.65
  2. ^ a b 栗山求 pp.204-211

脚注

  1. ^ a b Gold Digger”. equineline.com. 2018年4月20日閲覧。
  2. ^ a b c d e f Gold Digger (horse)”. American Classic Pedigrees. 2018年4月21日閲覧。
  3. ^ a b Gold Digger(USA)”. JBISサーチ. 2018年4月21日閲覧。
  4. ^ a b Gold Digger(USA)”. JBISサーチ. 2018年4月21日閲覧。
  5. ^ a b c d Gold Digger”. netkeiba.com. 2018年4月21日閲覧。
  6. ^ bloodlines.net

外部リンク


ゴールドディギング

(ゴールド・ディガー から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 02:52 UTC 版)

1929年の映画『ブロードウェイのゴールドディガー英語版』のロビーカード

ゴールドディギング(gold digging、直訳すると「金鉱の採掘」)とは、人(特に女性)が、恋愛ではなく金銭のために他の人と交際することである[1]日本語玉の輿に近い概念である。そのような人のことをゴールドディガー(gold digger)、または漢字金採掘者、という。

1920年代の女優ペギー・ホプキンス・ジョイス英語版はゴールドディガーの典型的な例とされ[2]、この言葉自体が彼女を説明するために作られたものと主張する者もいる[3]

1919年の舞台『ゴールドディガーズ英語版』によって、それまで「金鉱の坑夫」を意味していたこの言葉が現在の意味で使われるようになった。この劇は1923年に映画化英語版された[2]

1920年代と1930年代のアメリカ映画では、ゴールドディガーは次第に妖婦(vamp)へと変わって行く典型的なファム・ファタールである[4]

脚注

  1. ^ Rosenberger pp. 60
  2. ^ a b Sharot p. 143
  3. ^ "Some people even claimed the term has been coined by a Hearst newspaperman to describe Peggy and her behavior." Robenblum pp. unknown
  4. ^ "The gold digger came to replace the vamp as the most prominent type of femme fatale." Sharot pp. 143-144

参考文献

関連項目


ゴールドディガー(デーボ・ザイホーン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 00:35 UTC 版)

パワーレンジャー・ダイノチャージ」の記事における「ゴールドディガー(デーボ・ザイホーン)」の解説

黄金のつるはし武器にするエイリアン金貨爆弾強固な石板具現化できる。

※この「ゴールドディガー(デーボ・ザイホーン)」の解説は、「パワーレンジャー・ダイノチャージ」の解説の一部です。
「ゴールドディガー(デーボ・ザイホーン)」を含む「パワーレンジャー・ダイノチャージ」の記事については、「パワーレンジャー・ダイノチャージ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「ゴールド・ディガー」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ゴールド・ディガー」の関連用語

ゴールド・ディガーのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ゴールド・ディガーのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのゴールドディガー (改訂履歴)、ゴールドディギング (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのパワーレンジャー・ダイノチャージ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS