コロナイの王
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/10 16:38 UTC 版)
このキュクノスはトローイアの南方に位置する町コロナイの王で、ポセイドーンの息子。一説によると、彼の母カリュケーはキュクノスを浜辺に捨てたが、彼は漁師に助けられ、上に白鳥が飛んでいたのでそれに因んでキュクノスと名づけた。また、彼は女の子のような白い肌と美しい髪を持っていたため、そう名づけたという。 後にキュクノスはトローイア王ラーオメドーンの娘(もしくはラーオメドーンの息子のクリュティオスの娘)のプロクレイアを妻とした。彼女との間に、テネースとヘーミテアーという二人の子供をもうけた。テネースはアポローンの息子とも言われる。プロクレイアが死ぬと、キュクノスは、トラガソスの娘のピロノメーと結婚した。ピロノメーはプロクレイアの息子テネースの美貌を見ると恋に落ち、彼に言い寄った。だが拒絶されたので、ピロノメーはエウモルポスという笛吹きを証人として、夫に、テネースに犯されそうになったと嘘をついた。それを聞いたキュクノスはテネースとヘーミテアーを箱に閉じ込め、海に流した。しかしその後キュクノスは真実を知り、ピロノメーを生き埋めにし、笛吹きは石で打って殺した。彼の息子テネースがテネドスで王となっていることを知ると、和解を求め船で赴いたが、テネースはその船の錨綱を切った。 その後トロイア戦争でキュクノスはトローイア勢に協力し勇敢に戦い、オウィディウスよると1000人を殺したという。アカイア勢の英雄であるプローテシラーオスを殺したとも言われるが、プローテシラーオスの葬儀の際にアカイア勢を攻撃したとも言われる。ポセイドーンの息子であったので、剣や槍の攻撃を受け付けなかった。しかしアキレウスに首を絞められて死んだ。その時ポセイドーンは彼の身体を白鳥に変えたという。
※この「コロナイの王」の解説は、「キュクノス」の解説の一部です。
「コロナイの王」を含む「キュクノス」の記事については、「キュクノス」の概要を参照ください。
- コロナイの王のページへのリンク