コッペル・ギアシステム
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「ギアードロコ」の記事における「コッペル・ギアシステム」の解説
コッペル・ギアシステム(Koppel Gear System)は、一般的に4動軸以上の多動軸機関車で用いられ、動軸数をnとする場合、第2 - 第n-1動軸は一般型機関車と同様にサイドロッドで動力が伝達されるが、これに加えて、ボールジョイントによる自在継ぎ手内蔵した特殊な構造の大歯車を第2・n-1動軸に取り付け、ここから平ギアで第1・第n動軸に動力を伝達する。この自在継ぎ手の介在により第1・第n動軸の首振りを許容し、曲線通過を容易とする方式である。クリン=リントナー式機関車を大量に製造販売していたオーレンシュタイン・ウント・コッペル (Orensteim & Koppel A.-G.) 社の技師長であったグスタフ・ルッターメラー博士(Dr.Gustav Luttermöller)が同方式を元として、1921年に考案した。このため、考案者の名を冠してルッターメラー式(the Luttermöller locomotive)と呼ばれることが多い。同様な構造の自在継ぎ手を使用しているが、中空軸の中に中実軸を通すクリン=リントナー式と比較して各部機構の大幅な単純化が図られており、両端の動軸への動力伝達が密閉式ギアボックスとなっていることもあって機構部への塵埃の侵入に強く、耐環境性ではクリン=リントナー式を大きく凌駕したが、両端動軸の首振りに由来する諸問題は形を変えつつ引き継がれており、その点では大差がなかった。日本では日本陸軍向けE形31両に採用されたのみであるが、クリン=リントナー式に代わるものとしてコッペル社によって世界各国へ多数が供給された。
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