ケープ植物区
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/01 10:06 UTC 版)
フィンボスはケープ西岸のクランウィリアム (Clanwilliam) から南東岸のポート・エリザベス (Port Elizabeth) に伸びる100kmから200kmの幅で、沿岸部に帯状に伸びている。フィンボスはケープ植物区 (Cape floral kingdom) の表面積の約半分、植物種の数では約80%を占める。フィンボスの東部と西部では、後者のほうがより多種で豊かな植生を誇る。 世界六大植物区 (floral kingdom) の中では最小だが、面積あたりの豊かさという点では随一である。熱帯地域を除く北半球全域を包含する全北植物区 (Holarctic kingdom) とは好対照を成している。フィンボスの植物の多様性は、約5000種の固有種を含む8000種以上の植物からなるという点で、熱帯雨林の植物多様性を上回っている。 多様性と凝集性についていくつか例示しよう。エリカ属はフィンボスに600種生えているが、世界のほかの地域ではわずかに26種しか見られない。また、フィンボスの面積は46000km2であるが、大して変わらない面積のオランダには1400種の植物しかなく、しかもそこには固有種は含まれていない。ケープタウンのテーブルマウンテンには1470種が成育しているが、これはイギリスの全植物種を上回っている。 かくして、フィンボスは南アフリカの面積の6%を占めるに過ぎないが、その亜大陸の半分の植物種を含んでいるのだ。
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