ケト・エノール平衡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 00:51 UTC 版)
様々な 1,3-ジカルボニル化合物は下式で表されるケト-エノール互変異性を示す。 この互変異性は環状エノール型(シス型)とジケト型との間の平衡となることが最も多い。互変異性の平衡定数は次のように表式化される。 K T = [ c i s − e n o l ] [ d i k e t o ] {\displaystyle K_{\mathrm {T} }={\frac {[cis-enol]}{[diketo]}}} アセチルアセトンの互変異性平衡定数は次のように溶媒効果を受ける[要出典]。 溶媒KT気相 11.7 シクロヘキサン 42 テトラヒドロフラン 7.2 ベンゼン 14.7 エタノール 5.8 ジクロロメタン 4.2 水 0.23 上記の表から、極性の低い溶媒中ではシス-エノール型が支配的であり、極性の高い溶媒中でジケト型が支配的であることが見てとれる。シス-エノール型に生じる分子内水素結合は、分子間水素結合の相手が存在しない場合により顕著である。結果として、分子間水素結合の相手となりにくい極性の低い溶媒では分子内水素結合による安定化が起きる[要出典]。
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