キャンバーとロッカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/11 00:32 UTC 版)
従来からのスキー板は、単体でソールを下にして水平面に置くとチップとテールそれぞれの付近で水平面に接し、中央部分が浮いた弓なり状となっていて、この形状をキャンバー(camber)と呼んでいる。キャンバー形状のスキー板は履いてから平らな雪面に立つことでソール全体が雪面に接し、安定した直滑降を可能にしている。スキー板のチップは上に持ち上がっていて、滑走時に雪面に刺さりにくい形状になっている。テールはほとんど平らとなっている板が多い。 近年、最初から反り返った形状となったロッカー(rocker)と呼ばれるスキー板も登場し、次の区分で呼称されている。 フルロッカー スキー板を平面に置いた場合の接地点がセンター(ビンディング付近)のみで、チップからテールにかけてほぼ全て反り返っているもの。専らフリースタイルスキーに用いられる。 チップ&テールロッカー スキー板のチップとテールに大きな反り返りがあるが、センターにキャンバー形状も残されているもの。 チップロッカー スキー板のチップのみが大きく反り返り、それ以外はキャンバー形状としているもの。 ロッカースキーは、緩勾配の非圧雪面でチップが雪中に潜り込むのを防ぐため、チップの反り上がりに加え、更にチップから30~40cm程度を基点として先端部がゆるやかに持ち上げられている。上記ツインチップ形状と組み合わせた場合にはテール30cm程度も緩やかに持ち上がっている。その場合「エッジ有効長」(スキー板を平面に置いた場合の接地区間の長さ)は通常のスキー板の6~7割程度しかない。2015年頃より各社とも製品を拡充しはじめた。 ロッカーの長所として、スキー板への荷重によらずに弧を描いている事からターンしやすく、特に山岳スキーやバックカントリースキーのエッジが効きにくい新雪・深雪斜面においてターンしやすい事が挙げられる。
※この「キャンバーとロッカー」の解説は、「スキー板」の解説の一部です。
「キャンバーとロッカー」を含む「スキー板」の記事については、「スキー板」の概要を参照ください。
- キャンバーとロッカーのページへのリンク