ガロワ加群
数学において、ガロワ加群 (Galois module) は、G がある体の拡大のガロワ群であるときの G-加群である。G-加群が体上のベクトル空間や環上の自由加群であるときに、用語ガロワ表現 (Galois representation) がしばしば用いられるが、G-加群の同義語としても用いられる。局所体や大域体の拡大のガロワ加群の研究は数論において重要なツールである。
例
- 体 K が与えられたとき、K の分離閉包の乗法群 (Ks)× は絶対ガロワ群のガロワ加群である。その第二コホモロジー群は K のブラウアー群に同型である。(ヒルベルトの定理90によって第一コホモロジー群は 0 である)。
分岐理論
K を付値体とし(付値を v とし)L/K を有限次ガロワ拡大でそのガロワ群を G とする。v の L への延長 w に対し、Iw をその惰性群とする。ガロワ加群 ρ : G → Aut(V) は ρ(Iw) = {1} であるときに不分岐という。
代数的整数のガロワ加群の構造
古典的な代数的整数論において、L を体 K のガロワ拡大とし、G を対応するガロワ群とする。このとき L の整数環 OL を OK [G]-加群と考えることができ、その構造がどのようなものであるかを問うことができる。正規基底定理によって L はランク 1 の自由 K [G]-加群であることが分かっているという点で、これは数論的問題である。同じことが整数に対しても正しければ、それは正規整基底の存在、すなわち、α∈OL であってその G による共役元が OK 上の OL の自由基底を与えるようなものの存在と同値である。これは K が有理数体 Q であるときでさえ(あるいはもしかすると、このときに特に)面白い問題である。
例えば、
- ガロワ加群のページへのリンク