カルタゴを建設するディド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/15 10:04 UTC 版)
『カルタゴを建設するディド』[1](カルタゴをけんせつするディド、英: Dido Building Carthage)あるいは『カルタゴ帝国の台頭』(カルタゴていこくのたいとう、英: The Rise of the Carthaginian Empire[1][2])は、イギリスの風景画家ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーが1815年に制作した絵画である。油彩。ターナーの代表作の1つで、主題はウェルギリウスの叙事詩『アエネイス』に登場するカルタゴの女王ディドから取られている。『アエネイス』およびカルタゴの歴史は長年にわたってターナーの心をとらえた主題であった。ターナーは『アエネイス』をもとに11点の絵画を制作しており、そのうち8点は英雄アイネイアスとディドとの関係に関連している。またカルタゴの興亡に関する10点の絵画の1つである[2]。バロック時代のフランス出身の風景画家クロード・ロランの影響を色濃く受けた作品で[2]、2年後に制作されたテート・ギャラリー所蔵の『カルタゴ帝国の衰退』(The Decline of the Carthaginian Empire)とは主題的な対を形成している[2][3]。ターナーの死後に国に遺贈された多くの絵画の1つで、現在はロンドンのナショナル・ギャラリーに所蔵されている[1][2]。
- ^ a b c 『西洋絵画作品名辞典』p.370。
- ^ a b c d e f g h i “Dido building Carthage”. ナショナル・ギャラリー公式サイト. 2023年2月11日閲覧。
- ^ a b “The Decline of the Carthaginian Empire”. テート・ギャラリー公式サイト. 2023年2月11日閲覧。
- ^ 『アエネイス』1巻338行-368行。
- ^ a b “JMW Turner, the English Claude”. ガーディアン. 2023年2月11日閲覧。
- ^ “Quand les tableaux de William Turner renseignent sur la pollution”. BFM TV. 2023年2月11日閲覧。
- ^ “Sun Rising through Vapour”. ナショナル・ギャラリー公式サイト. 2023年2月11日閲覧。
- 1 カルタゴを建設するディドとは
- 2 カルタゴを建設するディドの概要
- 3 来歴
- 4 参考文献
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