カッツ・ムーディ・リー環の種類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/24 00:04 UTC 版)
「カッツ・ムーディ代数」の記事における「カッツ・ムーディ・リー環の種類」の解説
カッツ・ムーディ・リー環の性質はその一般カルタン行列 C の代数的性質によって制御される。カッツ・ムーディ・リー環を分類するためには、分解不可能な行列 C の場合を考えれば十分である、つまり、添え字集合 I の空でない部分集合 I1, I2 の非交和への分解であってすべての i ∈ I1 と j ∈ I2に対して Cij = 0 となるようなものは存在しないと仮定してよい。一般カルタン行列の任意の分解は対応するカッツ・ムーディ・リー環の直和分解を導く: g ( C ) ≃ g ( C 1 ) ⊕ g ( C 2 ) , {\displaystyle {\mathfrak {g}}(C)\simeq {\mathfrak {g}}(C_{1})\oplus {\mathfrak {g}}(C_{2}),} ここで右辺の2つのカッツ・ムーディ・リー環は添え字集合 I1 と I2 に対応する C の部分行列に付随する。 カッツ・ムーディ・リー環の重要なサブクラスは対称化可能な一般カルタン行列 C に対応する。この行列は DS と分解可能で、ここで D は正整数の成分の対角行列であり、S は対称行列である。C は対称化可能かつ分解不可能という仮定の下で、カッツ・ムーディ・リー環は3つのクラスに分割される: 正定値行列 S は有限次元単純リー環を生じる。 半正定値行列 S はアフィン型の無限次元カッツ・ムーディ・リー環、アフィン・リー環を生じる。 不定値行列 S は不定型のカッツ・ムーディ・リー環を生じる。 C と S の対角成分は正だから、S は負定値あるいは半負定値にはなりえない。 有限型とアファイン型の対称化可能で分解不可能な一般カルタン行列は完全に分類されている。それらはディンキン図形とアファイン・ディンキン図形に対応する。不定型のカッツ・ムーディ・リー環についてはほとんど分かっていない。これらのカッツ・ムーディ代数に対応する群はジャック・ティッツによって任意の体上構成されたが。 不定型のカッツ・ムーディ・リー環の中ではほとんどの研究は双曲型のものに焦点を当てている。これは行列 S は不定値だが、I の各真部分集合に対し、対応する部分行列が正定値あるいは半正定値となるものである。双曲的カッツ・ムーディ環は階数が高々 10 であり、それらは完全に分類されている。階数 2 のものは無限にあり、3 から 10 には 238 個ある。hyperbolic groups: compact and noncompact に一覧がある。
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