オーファンメチルトランスフェラーゼ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 14:08 UTC 版)
「Damメチラーゼ」の記事における「オーファンメチルトランスフェラーゼ」の解説
Damメチラーゼはオーファンメチルトランスフェラーゼであり制限修飾系の一部を構成しないが、独立して遺伝子発現、ミスマッチ修復、細菌の複製など多くの機能を調節する。これはオーファンメチルトランスフェラーゼの唯一の例ではなく、Caulobacter crescentusや他の関連生物種において5'-GANTC-3'ヘミメチル化DNAをメチル化することで生活環を制御するCcrMなどが存在する。 細菌に存在するものとは別に、ファージにもオーファンメチルトランスフェラーゼは存在し、例えば大腸菌に感染するT2やT4、他のT偶数型バクテリオファージのものが挙げられる。大腸菌とT4のDamメチラーゼには塩基配列の相同性は全くみられないにもかかわらず、アミノ酸配列では11–33残基長の4つの領域で最大64%の同一性がみられ、細菌とファージのメチラーゼ遺伝子は共通の進化的祖先を持つことが示唆されている。T2とT4のメチラーゼは5-ヒドロキシメチルシトシンをメチル化するだけでなく、非典型的DNA部位のメチル化も行う点で、Damメチラーゼとは異なる特徴を持つ。このようなファージが持つオーファンメチルトランスフェラーゼは、in vitroによる特性解析が広く行われているが、生物学的意義については未だ明らかになっていない。
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