オルガンから借用した手法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 01:37 UTC 版)
「ボレロ (ラヴェル)」の記事における「オルガンから借用した手法」の解説
曲中、旋律が完全に並行音程で重ねられている箇所があるが、オーケストラの中で非常に新鮮に響くこの効果は、パイプ・オルガンで日常的に使用される倍音の組み合わせを採り入れた手法と言われている。実際に奏する鍵盤にとって倍音関係にある音の発音されるパイプ群が並行音程を保って装備されており、それらを自在に組み合わせることによって種々の倍音構成を特徴づけるという技術は、パイプ・オルガンにおいて複雑な音色を生み出す常套手法である。上記9.箇所においては、ホルンの実音が基音とみなされ、それに対して第2倍音をチェレスタが、第3倍音をピッコロが、第4倍音をチェレスタが、第5倍音をピッコロが、それぞれの楽器の実音によって重ねられることで輝かしい音色が生み出されている。実際のパイプ・オルガンにおいての例としては、ストップを8' + 4' + 2 2/3' + 2' + 1 3/5'の組み合わせによってホルンパートを奏すると、実際と全く同じ音の組み合わせができあがる。また、それらをもっと高次倍音とみなして別の組み合わせで同じ効果をもたらすこともできる。詳しくはストップを参照。 上記9.箇所の譜例
※この「オルガンから借用した手法」の解説は、「ボレロ (ラヴェル)」の解説の一部です。
「オルガンから借用した手法」を含む「ボレロ (ラヴェル)」の記事については、「ボレロ (ラヴェル)」の概要を参照ください。
- オルガンから借用した手法のページへのリンク