オリゲネスの学統とアリウス主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 03:53 UTC 版)
「エウセビオス」の記事における「オリゲネスの学統とアリウス主義」の解説
アリウスの主張は、その支持者であるニコメディアのエウセビオスの書簡を例外として、主に敵対者の著作を通じて知られる。その内容は、 御子は一被造物であり、神の意志に由来する。 「御子」という用語は比喩であり、御父と御子が同じ存在や地位を分かち持つことを意味しない。 御子の地位はそれ自体、御父の意志の結果である。 というもので、御子の被造物性を強調することで、御父と御子に隔たりを設定するものであった。これはキリスト論において、父なる神に完全な神性を認める一方で、子なる神の神性を父より少ないと考えたオリゲネスの考えに近いところがあった。ゆえに、アンティオキアの司教エウスタティウスはオリゲネスの学統の隆盛がアリウス主義の根源になっていると考え、オリゲネス主義に強く反対し、エウセビオスがニカイア信条を遵守していないとして、彼を槍玉に挙げた。逆にエウセビオスはエウスタティウスをサベリウス的異端であるとして告発した。エウセビオスとエウスタティウスの対立は330年に開かれたアンティオキアの宗教会議でエウスタティウスの追放という結果に終わった。
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