エレゼンとは? わかりやすく解説

エレゼン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/16 05:14 UTC 版)

エレゼンモンゴル語: Erezen, ? - ?)は、チンギス・カンの息子ジョチの子孫で、オルダ・ウルスの第8代当主。ペルシア語による表記はیرزن(īrazan)。

一般的にはジョチの長男オルダの末裔とされるが、ジョチの七男ボアルの末裔またはジョチの13男トカ・テムルの末裔であるとする説もある。

概要

14世紀初頭、オルダ・ウルスでは王族のクペレクが当主のバヤンに対して叛乱を起こし、クペレクが中央アジアのカイドゥ・ウルスの協力を得たことでバヤンはオルダ・ウルスを逐われるという事件が行った。この事件を通じてオルダ・ウルスは弱体化し、『集史』など同時代の史料に全く言及されなくなる[1][2]

バヤン以後のオルダ・ウルスについて始めて詳細に言及するのはティムール朝期に編纂された『ムイーン史選』で、同書によると「ノガイの息子サシ・ブカ」なる人物がジョチ・ウルスのウズベク・ハン(在位:1313年 - 1342年)と同時代にオルダ・ウルスを治めていたと記される[2]。『ムイーン史選』ではサシ・ブカの死後、息子のエレゼンが「ウズベクの命によって」父の地位を継承したとされる[2]。これは、サシ・ブカとエレゼン父子がバトゥ・ウルスに隷属する状態にあったことを指すものと理解されている[2]

また、エレゼンはオトラル、サウランなどシル川流域の諸都市を復興させたと伝えられており、オルダ・ウルスはこの頃イルティシュ川流域からシル川流域に中心を移したようである[2]。エレゼンの死後は、ムバーラク・ホージャなる人物が地位を継承したとされる[2]

家系

唯一サシ・ブカ-エレゼン父子の事蹟を語る『ムイーン史選』は、彼等を「ジョチの8男ボアルの子孫」とするが、これは史実と認められていない。そのため、サシ・ブカは『集史』や『高貴系譜』といった史料に基づいてジョチの長子オルダ家の末裔、もしくはトカ・テムル家の末裔であるという説が出された[3]。一方、エレゼンについては同時代の系譜史料に全く名前が言及されず、その実在性を疑問視する説もある[4]

オルダ家説

  • ジョチ(Jöči >朮赤/zhúchì,جوچى خان/jūchī khān)
    • オルダ(Orda >斡魯朶/wòlǔduǒ,اورده/ūrda)
      • サルタクタイ(Sartaqtai >سرتاقتای/sartāqtāī)
        • コニチ(Qoniči >火你赤/huŏnǐchì,قونیچى/qūnīchī)
          • バヤン(Bayan >伯顔/bǎiyán,بایان/bāyān)
            • サシ・ブカ(Sasi buqa >ساسی بوقا/sāsī būqā)
              • エレゼン(Erezen >یرزن/īrazan)

トカ・テムル家説

  • ジョチ(Jöči >朮赤/zhúchì,جوچى خان/jūchī khān)
    • トカ・テムル(Tosa temür >توقا تیمور/tūqā tīmūr)
      • バイムル(Bayimur >بایمور/bāyimūr)
        • トガンチャル(Toγančal >توغانجار/tūghānjār)
          • サシ(Sasi >ساسی/sāsī)
            • ノカイ(Noγai >نوقاى/nūqāy)
              • エレゼン(Erezen >یرزن/īrazan)

歴代オルダ・ウルス当主

  1. オルダ
  2. コンクラン
  3. テムル・ブカ
  4. コニチ
  5. バヤン
  6. クペレク
  7. サシ・ブカ
  8. エレゼン

脚注

  1. ^ 赤坂2005,149-150頁
  2. ^ a b c d e f 川口1997,278-279頁
  3. ^ 赤坂2005,150-151頁
  4. ^ 赤坂2005,280-283頁

参考文献

  • 赤坂恒明『ジュチ裔諸政権史の研究』風間書房、2005年
  • 川口琢司「キプチャク草原とロシア」『岩波講座世界歴史11』岩波書店、1997年
  • 村岡倫「オルダ・ウルスと大元ウルス」『東洋史苑』52/53号、1999年

エレゼン(Elezen)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 11:35 UTC 版)

ファイナルファンタジーXIV」の記事における「エレゼン(Elezen)」の解説

痩身長躯長い手足特徴的な種族エオルゼア先住民族で、古代において支配的地位占めていたこともあり、誇り高い。ヒューランに比べやや長命

※この「エレゼン(Elezen)」の解説は、「ファイナルファンタジーXIV」の解説の一部です。
「エレゼン(Elezen)」を含む「ファイナルファンタジーXIV」の記事については、「ファイナルファンタジーXIV」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「エレゼン」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「エレゼン」の関連用語

エレゼンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



エレゼンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのエレゼン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのファイナルファンタジーXIV (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS