エマーソン・レイク・アンド・パウエル_(アルバム)とは? わかりやすく解説

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エマーソン・レイク・アンド・パウエル (アルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/12 16:11 UTC 版)

『エマーソン・レイク・アンド・パウエル』
エマーソン・レイク・アンド・パウエルスタジオ・アルバム
リリース
録音 1985年 - 1986年
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル ポリグラム
プロデュース Tony Taverner/グレッグ・レイク
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 23位(米国・ビルボードチャート[1]
  • 35位(英国・オフィシャルチャート[2]
  • 44位(日本・オリコンチャート[3]
  • エマーソン・レイク・アンド・パウエル アルバム 年表
    • エマーソン・レイク・アンド・パウエル
    • (1986年 (1986)
    • The Sprocket Sessions
    • (2003年 (2003)
    テンプレートを表示

    エマーソン・レイク・アンド・パウエル (Emerson, Lake & Powell) は、エマーソン・レイク・アンド・パウエルが1986年に発表したアルバム

    解説

    制作の経緯

    本作は、1979年に解散したエマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP)のキース・エマーソンが、ゲフィン・レコードとの契約に向けて1984年から1985年にかけて制作していたデモ・テープが元になっている。テープを聴いたポリドールの関係者が、エマーソンにELPを再結成する事を示唆した[注釈 1]。様々な紆余曲折の後、エマーソンはグレッグ・レイクコージー・パウエルとエマーソン・レイク・アンド・パウエル[注釈 2]を結成して、本作を制作した[4]

    内容

    「火星-戦争をもたらすもの」[5]は、イギリスの作曲家ホルストの組曲『惑星』の「火星-戦争をもたらすもの」を改作した作品である。ホルストは生前、『惑星』はオーケストラによってのみ、抜粋ではなく全編演奏されなければならない、という制約を規定した。彼が1934年に死去した後は、遺族がこの制約が守られるように目を光らせた[注釈 3]。しかし本作が発表された1986年には、彼の死後既に50年以上経って著作権が失効していたので、エマーソン・レイク・アンド・パウエルは制約を守る必要も遺族の許可を得る必要もなかった。

    「タッチ・アンド・ゴー」[6]はシングル・カットされた。1991年に再結成したELPは、この曲をカバーして1993年のCD ボックス『リターン・オブ・ザ・マンティコア』に収録し、コンサートでも頻繁に演奏した。

    「ザ・スコアー」の冒頭のインストゥルメンタル部分や「タッチ・アンド・ゴー」の冒頭など、スポーツ系のテレビ番組ではお馴染みのフレーズが多い。「火星-戦争をもたらすもの」の途中に使われている脅迫的不気味さを伴うシンセサイザーのフレーズは、K-1PRIDEといった格闘技の番組で、ジェロム・レ・バンナのようなパワーと暴力性のイメージが強い選手のイメージ音楽として使用されることがある。

    収録曲

    作詞:グレッグ・レイク/作曲:キース・エマーソン&グレッグ・レイク。例外は下記参照(※)。

    初版の収録曲
    1. ザ・スコアー – "The Score" 9:10
    2. ラーニング・トゥ・フライ – "Learning to Fly" 3:52
    3. ザ・ミラクル – "The Miracle" 7:02
    4. タッチ・アンド・ゴー – "Touch and Go" 3:35
    5. ラヴ・ブラインド – "Love Blind" 3:08
    6. ステップ・アサイド - "Step Aside" 3:42
    7. レイ・ダウン・ユア・ガンズ – "Lay Down Your Guns" 4:20 ※作詞:レイク&スティーヴ・グールド/作曲:エマーソン
    8. 火星-戦争をもたらすもの – "Mars, the Bringer of War" 7:53 ※作曲:グスターヴ・ホルスト/編曲・エマーソン、レイク&コージー・パウエル
    第2版の追加収録曲
    1. ロコ・モーション – "The Loco-Motion" 4:40 ※作詞・作曲:ジェリー・ゴフィンキャロル・キング
    2. ヴェイカント・ポゼッション – "Vacant Possession" 4:42
    オリジナルLP
    Side One
    #タイトル作詞作曲時間
    1.「ザ・スコアー The Score」Greg LakeKeith Emerson
    2.「ラーニング・トゥ・フライ Learning to Fly」LakeEmerson
    3.「ザ・ミラクル The Miracle」LakeEmerson
    合計時間:
    Side Two
    #タイトル作詞作曲時間
    1.「タッチ・アンド・ゴー Touch and Go」LakeEmerson
    2.「ラヴ・ブラインド Love Blind」LakeEmerson
    3.「ステップ・アサイド Step Aside」LakeEmerson
    4.「レイ・ダウン・ユア・ガンズ Lay Down Your Guns」Lake, Steve GouldEmerson
    5.火星-戦争をもたらすもの Mars, the Bringer of War」 Gustav Holst, adapted by Emerson, Lake, Cozy Powell
    合計時間:

    参加ミュージシャン

    エマーソン・レイク・アンド・パウエル

    チャート

    イギリスでは最高35位、アメリカでは最高23位を記録した[7]

    脚注

    注釈

    1. ^ この頃、イエスエイジアが商業的に成功していたことに触発されて、多くのレコード会社が1970年代のプログレッシブ・ロック・バンドの再結成に動いており。本作も、そうした動きの中のひとつとなっている。
    2. ^ エマーソン・レイク・アンド・パーマーのカール・パーマーは、EL&PやELPなどの略称がエマーソン・レイク・アンド・パーマー以外に使用されることを禁止する訴訟を起こして勝訴した。よって、エマーソン・レイク・アンド・パウエルを略してELPとは呼べない。
    3. ^ レイクがELP結成前の1969年に在籍していたキング・クリムゾンは、彼が在籍していた当時にライブで「火星」を取り上げていたが、1970年にスタジオ録音版をセカンド・アルバムの『ポセイドンのめざめ』に収録しようとしたところ、遺族の許可がおりなかったので、タイトルを「デヴィルズ・トライアングル」にしてホルストの名前を出さずに収録した。

    出典

    1. ^ Emerson, Lake & Powell - Emerson, Lake & Powell | Awards | AllMusic
    2. ^ EMERSON, LAKE & PALMER | Artist | Official Charts - 「Albums」をクリックすれば表示される
    3. ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.93
    4. ^ Macan (2006), pp. 485–490.
    5. ^ Macan (2006), pp. 497–499.
    6. ^ Macan (2006), p. 496.
    7. ^ Macan (2006), pp. 500–501.

    引用文献

    • Macan, Edward (2006). Endless Enigma: A Musical Biography of Emerson, Lake and Palmer. Chicago: Open Court. ISBN 978-0-8126-9596-0 



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