エネルギー管理システムとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > エネルギー管理システムの意味・解説 

エネルギーマネジメントシステム

(エネルギー管理システム から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/14 23:17 UTC 版)

エネルギーマネジメントシステム(英称: Energy Management System)は、ISO/DIS 50001として国際規格化されたエネルギー管理体系であり、エネルギー使用に関して、方針・目的・目標を設定し、計画を立て、手順を決めて管理する活動を体系的に実施できるようにした仕組み[1]のことである。

略称はISO 14000シリーズで定められた環境マネジメントシステム (EMS; Environmental Management System) との混同を避けるため EnMS と表記する。

概要

ISO/DIS 50001は組織のエネルギー管理体系について規定したものであるが、ISO 9000ISO 14000と同様、取り組むべき個別具体的な対策(例: 太陽光発電装置や電力モニターの導入 など)については何ら規定していない。エネルギー利用に関する要改善点を自ら発見し、計画、実行、確認という段階を通して継続的に改善するPDCAサイクルの確立に重点を置いた規格である。

個別具体的な行動について規定してしまうと、大規模事業者にとっては対策が不十分であったり、小規模事業者の能力では実現不可能な「絵に描いた餅」に陥ってしまうことや、業種・業態、営利事業者か公共セクターかなど、組織の形態や環境によってとるべき対策は異なっており、画一的に決めてしまうと規格そのものの実効性が損なわれる恐れがある。

そこで各事業者に組織内のエネルギー管理規程を作成させ、その規程が業種・業態、置かれた環境や事情、組織の能力に鑑みて不十分ではないか、実現不可能なものはないか、継続性を担保する仕組みが備わっているか等、ISO 50001の要件適合性を審査機関が個別に審査し、合格した組織に認証を付与する。認証の有効期間は3年間で、更新審査に合格しなければ認証は失効する。

日本では組織への認証の発行と審査機関の認証は公益財団法人日本適合性認定協会(JAB) と一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC) の2社が、適合性審査はこの2社の認証を受けた審査機関が行う。

審査機関の一覧

日本適合性認定協会や日本情報経済社会推進協会などが参加して構成されているマネジメントシステム認証懇談会が一覧を公開している[2]。 審査を行えるのは一覧のうち「認定済」の項目に「EnMS」の表記のある審査機関である。

xEMSとの混同に関する注意

エネルギーマネジメントシステムとして各社からさまざまな商品が販売されており、例えば太陽光発電パネルと電力使用量モニター、電力会社への売電システムなどを備えたHEMS (Home Energy Management System)、日照や気温等に応じて照明の照度や空調を集中制御するBEMS (Building -)、これを工場などプラントに応用したFEMS (Factory -)等、総称してxEMSと呼ばれるものが知られている。

これらxEMSは具体的対策のための商品やソリューションであり、本稿で述べているISO/DIS 50001に適合するエネルギーマネジメントシステムの確立の助けになったり、必要になったりする可能性はあるが、直接の関係はない。

認証の取得には管理体制の構築が不可欠であるため、これらのソリューションを導入したからといって認証を取得できるわけではない。逆に、認証の取得を目的とせずにコスト削減やCSR活動の一環としてxEMSを導入することにも、何ら問題はない。

脚注

  1. ^ ISO50001とは、資源エネルギー庁
  2. ^ 認証組織情報自主公開プログラム 参加表明認証機関一覧、マネジメントシステム認証懇談会

エネルギー管理システム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/28 20:53 UTC 版)

スマートグリッド」の記事における「エネルギー管理システム」の解説

エネルギー管理システム(xEnergy Management System:xEMS)は、電気ガスなどのエネルギーの使用状況を、ICT用い適切に把握管理し省エネルギー実現するシステムである。 略称 エネルギー管理システムの略称はxEMSが広く用いられる。これは、ISO 50001定める「エネルギーマネジメントシステム」や、ISO 14001定める「環境マネジメントシステム」などの類似語との混同避けるためであり、下記の略称で区別される。xEMS(Energy Management System) - エネルギー管理システム EnMS(Energy Management System) - ISO 50001エネルギーマネジメントシステム EMSEnvironmental Management System) - ISO 14001環境マネジメントシステム スマートグリッドにおける、エネルギー管理システムはxEMSを指す。ISO基準を示すEnMSやEMSとは全く内容異なるので注意が必要である。なおスマートグリッドにおけるエネルギー管理システムを、日本語表記では単にEMSと略すこともあり、用語を用い組織場面により違いがあり明確な略称の基準は無い。 種類 xEMSには、需要側、供給側等の連携程度により様々なシステムがあり、先頭の「x」は主に対象建物種類により、「B」「H」「M」「F」などに置き換えた下記のような用語で使用されるBEMSビルエネルギー管理システム HEMSホームエネルギー管理システム MEMS:マンションエネルギー管理システム FEMS工場エネルギー管理システム CEMS地域エネルギー管理システム

※この「エネルギー管理システム」の解説は、「スマートグリッド」の解説の一部です。
「エネルギー管理システム」を含む「スマートグリッド」の記事については、「スマートグリッド」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「エネルギー管理システム」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「エネルギー管理システム」の関連用語

エネルギー管理システムのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



エネルギー管理システムのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのエネルギーマネジメントシステム (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのスマートグリッド (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS