エストロゲン様の活性と関連代謝物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/05 22:43 UTC 版)
「イソフラボン」の記事における「エストロゲン様の活性と関連代謝物」の解説
ゲニステイン(genistein)、ダイゼイン(daidzein)などのイソフラボンはエストロゲン(女性ホルモン)様の作用を有するとされる。これはヒトエストロゲン受容体に結合してアゴニストとして働くためで、このような活性を持った植物由来の化合物は植物エストロゲン(または植物性エストロゲン)と呼ばれる。しかし最新の研究(2013年 乳がんへの影響レビュー など)では、イソフラボンのエストロゲン様作用について否定的な報告もある。大豆イソフラボンのエストロゲン様作用が、イソフラボンが代謝されて産生されたエクオールによるものではないかとの仮説が立てられている。 作用の1例として、イソフラボンの一種であるダイゼインを挙げると、まずダイゼインから腸内細菌によってイソフラバンジオール(英語版) のエクオールが代謝される。(ただし、エクオールを作る腸内細菌=エクオール産生菌は約30-50%のヒトしか持っていない。)エストラジオールなどの内因性エストロゲンホルモンはステロイドであるが、エクオールは非ステロイド性エストロゲンである。 (S)-エクオールは、エストラジオール(エストロゲンの一種)と比較して、ヒトエストロゲン受容体アルファ(estrogen receptor alpha)(ERα)に約2%の親和性を有する。また、ヒトエストロゲン受容体ベータ(estrogen receptor beta)(ERβ)に対しても、強い(エストラジオールの20%程度)親和性を持つ。このことから、(S)-エクオールは、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(selective estrogen receptor modulator)(SERM)の特性を部分的に有すと思われる。
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