ウガリットにおけるアスタルト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 02:07 UTC 版)
「アスタルト」の記事における「ウガリットにおけるアスタルト」の解説
ウガリット神話ではバアルの御名(šm b‘l [šumu ba‘ala])とも呼ばれ、同じくバアルの陪神である女神アナトと共に、バアルと密接不可分な陪神とされる。しかし、神話では重要なヒロインであるアナトに対し、アスタルトはほとんど活躍しない。アナトが麗しいと賛美される一方、アスタルトは愛らしいと賛美される。バアルの敵である、水を司る海神ヤム=ナハルとは豊穣神という性質上親しい関係にあったため、バアルがヤムを倒し、彼を捕らえた際には、ヤムが自分たちの仲間であることから恥じ入るべき行為だと非難した。あるいは、彼が倒して引き裂いたヤムの体を、バラバラにして撒き散らすように進言した。 イナンナ等が持っていた「愛と残酷の女神」の面はむしろアナトに受け継がれている。このため、アスタルトとアナトは同一神の別の呼称に過ぎないとする説を唱える者もいる。事実、アナトとアスタルトが同一視されていた時代もあった。また、最高神イルの妻、或いはバアルの妻とする説もある。
※この「ウガリットにおけるアスタルト」の解説は、「アスタルト」の解説の一部です。
「ウガリットにおけるアスタルト」を含む「アスタルト」の記事については、「アスタルト」の概要を参照ください。
- ウガリットにおけるアスタルトのページへのリンク