インパルス応答、伝達関数、拘束長
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/12 10:06 UTC 版)
「畳み込み符号」の記事における「インパルス応答、伝達関数、拘束長」の解説
畳み込みエンコーダが「畳み込み」と呼ばれるのは、入力ストリームに対してエンコーダの「インパルス応答」による「畳み込み」を行うからである。エンコーダのインパルス応答は次の式で表される。 y i j = ∑ k = 0 ∞ h k j x i − k , {\displaystyle y_{i}^{j}=\sum _{k=0}^{\infty }h_{k}^{j}x_{i-k},} ここで、 x {\displaystyle x\,} は入力列、 y j {\displaystyle y^{j}\,} は j {\displaystyle j\,} 番目の出力列、 h j {\displaystyle h^{j}\,} は j {\displaystyle j\,} 番目の出力のインパルス応答である。 畳み込みエンコーダは、離散線型時不変系である。エンコーダの各出力は固有の伝達関数で表され、それは生成多項式と密接に関連している。インパルス応答は、Z変換を介して伝達関数と関連付けられる。 図1の非再帰的エンコーダの伝達関数は次の通りである。 H 1 ( z ) = 1 + z − 1 + z − 2 {\displaystyle H_{1}(z)=1+z^{-1}+z^{-2}\,} H 2 ( z ) = z − 1 + z − 2 {\displaystyle H_{2}(z)=z^{-1}+z^{-2}\,} H 3 ( z ) = 1 + z − 2 {\displaystyle H_{3}(z)=1+z^{-2}\,} 図2の再帰的エンコーダの伝達関数は次の通りである。 H 1 ( z ) = 1 + z − 1 + z − 3 1 + z − 2 + z − 3 {\displaystyle H_{1}(z)={\frac {1+z^{-1}+z^{-3}}{1+z^{-2}+z^{-3}}}\,} H 2 ( z ) = 1 {\displaystyle H_{2}(z)=1\,} m {\displaystyle m\,} を次のように定義する。 m = m a x i p o l y d e g ( H i ( 1 / z ) ) {\displaystyle m=max_{i}polydeg(H_{i}(1/z))\,} ここで、任意の有理関数 f ( z ) = P ( z ) / Q ( z ) {\displaystyle f(z)=P(z)/Q(z)\,} について、次が成り立つ。 p o l y d e g ( f ) = m a x ( d e g ( P ) , d e g ( Q ) ) {\displaystyle polydeg(f)=max(deg(P),deg(Q))\,} . 従って m {\displaystyle m\,} は H i ( 1 / z ) {\displaystyle H_{i}(1/z)\,} の最大多項式次数であり、拘束長は K = m + 1 {\displaystyle K=m+1\,} と定義される。実際、図1の例では拘束長は 3、図2の例では拘束長は 4 である。
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