アンチセンス転写産物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/17 03:12 UTC 版)
「相補性 (分子生物学)」の記事における「アンチセンス転写産物」の解説
アンチセンス転写産物は、コーディング配列に相補的なノンコーディングRNAである。ゲノムワイド解析によって、アンチセンスRNA(英語版)は自然界で一般的に生じていることが示されている。これらは、遺伝暗号のコーディング能力を増大させ、遺伝子調節に新たな複雑性を加えるものであると考えられている。これまで、ヒトゲノムの40%が双方向に転写されることが知られており、逆方向の転写の重要性が示唆されている。センス転写産物とアンチセンス転写産物間の相補性領域は二本鎖RNAハイブリッドを形成し、遺伝子調節に重要な役割を果たす可能性がある。例えば、HIF1αとβ-セクレターゼのmRNAは双方向に転写されており、アンチセンス転写産物がセンス転写産物の安定化因子として機能していることが示されている。
※この「アンチセンス転写産物」の解説は、「相補性 (分子生物学)」の解説の一部です。
「アンチセンス転写産物」を含む「相補性 (分子生物学)」の記事については、「相補性 (分子生物学)」の概要を参照ください。
- アンチセンス転写産物のページへのリンク