X不活性化サイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/27 04:42 UTC 版)
Xistの発現とXの不活性化は、胚の発生過程で変化する。胚発生初期には、卵母細胞や精子はXistを発現しておらず、X染色体は活性化している。受精後、細胞が2〜4細胞の段階になると、親のX染色体(Xp)からXistの転写産物がすべての細胞で発現し、X染色体が刷り込まれて不活性化される。胚盤胞が形成されると、一部の細胞は多能性細胞(内部細胞塊)に成長する。ここでは、刷り込みが取り除かれ、Xistがダウンレギュレーションされ、不活性化されたX染色体が再び活性化されることになる。最近のデータでは、Xistの活性はアンチセンス転写産物によって制御されていることが示唆されている。その後、エピブラスト細胞が形成され、分化が始まる。内部細胞塊(ICM)では2本のX染色体のどちらからでも、またランダムにXistがアップレギュレートされるが、エピブラストではXが不活性化され、活性型X染色体ではXist対立遺伝子がオフになることでXistが維持される。成熟したXX始原生殖細胞では、Xistはダウンレギュレーションされ、Xの再活性化が再び起こる。
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