アメリカナミガイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/25 04:40 UTC 版)
アメリカナミガイ | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Panopea generosa (Gould, 1850) |
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和名 | ||||||||||||||||||||||||
アメリカナミガイ | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Pacific Geoduck |
アメリカナミガイ(亜米利加波貝、学名 Panopea generosa)は、二枚貝綱キヌマトイガイ科の1種。ミルガイ(海松貝)、あるいは白ミル(白海松)とも呼ばれる。ミルクイとは収斂進化の関係の別種。
英語では、通称で"Geoduck"(グイダック)あるいは"King Clam"(キングクラム)とも呼ばれる[1]。
形態
殻長20cmほどの大きな二枚貝で、殻表は暗褐色の殻皮で被われる。巨大な水管が特徴で、この水管は外に出っぱなしで、殻に収納することはできない。この水管を食用にする。
生態
北東太平洋のアメリカ合衆国アラスカ州沿岸から、カナダのブリティッシュコロンビア州沿岸、メキシコのバハ・カリフォルニア州沿岸、カリフォルニア湾まで分布し、潮間帯から水深110mの泥底に1m程の穴を掘り潜る[2][3][4]。
早春から初夏にかけて水中に配偶子を放出し受精する。メスは一度に最大で2千万個ほどの卵を産む。産卵は一年に複数回行われることもある[4]。
卵から成長して性成熟に達するまで2年から5年かかり、寿命は160年に至ることがある[4]。
漁業
カナダのブリティッシュコロンビア州や、アメリカ合衆国ワシントン州、メキシコのバハ・カリフォルニア州では、潜水具を使った潜水士による漁が行われている[5][3]。主に、中国をはじめとするアジア向けの輸出商品となり、数百万ドル規模の産業を支えている[3]。
日本における食材
ミルクイの代用食材として利用される種に、通称「白みる(白ミル)」のナミガイ Panopea japonica (A.Adams, 1850) やアメリカナミガイがいる[6]。ナミガイは東京湾(千葉県)、播磨灘(兵庫県)、周防灘(山口県)、三河湾(愛知県)などが主産地で、殻付きの活きたものが売られ、アメリカナミガイはカナダなどからの輸入品が回転寿司などの「みる貝」によく利用される。
出典
- ^ “We Should All Respect the Geoduck” (英語). SeatleMet (2024年2月14日). 2025年3月21日閲覧。
- ^ R.T.アボット, S.P.ダンス『世界海産貝類大図鑑』平凡社、1985年、375頁。
- ^ a b c “Genetic homogeneity of the geoduck clam Panopea generosa in the northeast Pacific” (英語). ScienceDirect (2016年4月). 2025年3月21日閲覧。
- ^ a b c “Pacific Geoduck Clam Species-at-a-Glance” (英語). California Department of Fish and Wildlife Marine Species Portal. 2025年3月21日閲覧。
- ^ (英語) (pdf) Commercial Fisheries – Geoduck 2025年3月21日閲覧。
- ^ 『二枚貝 (日本の水産)』全日本水産写真資料協会、1985年、199頁。「最近日本ではミルクイガイの資源減少のため代替品として”白みる”と称して市場に出ているのはナミガイPanopea japonica及びアメリカナミガイ(geoduck)P.generosaで、後者は水管のみ冷凍品として来るのであるが、これらはミルクイガイとは異なり、キヌマトイガイ科Hitatellidaeに属している。」
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