アドルフ・ヒトラーとの対話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 03:42 UTC 版)
「アーノルド・J・トインビー」の記事における「アドルフ・ヒトラーとの対話」の解説
トインビーは、1936年にナチス法学会の講演のためにベルリンを訪れた際、アドルフ・ヒトラーの要請により、ヒトラーとの個人的なインタビューに応じた。トインビーの講演の前日に行われたこのインタビューで、ヒトラーは、より大きなドイツ国家を建設するという限定的な拡張主義の目的と、イギリスの理解と協力を望んでいることを強調した。また、ドイツが植民地を回復すれば、アジア太平洋地域でイギリスの同盟国になれるとも語った。トインビーはヒトラーが誠実であることを信じ、イギリスの首相と外務大臣に宛てた極秘のメモの中で、ヒトラーのメッセージを支持した。 トインビーの講演は英語で行われたが、ドイツ語に翻訳した原稿が事前に関係者に配られていたため、ベルリンの聴衆はその融和的なトーンを高く評価した。当時、ベルリンに駐在していたイギリスの外交官トレーシー・フィリップス(英語版)は、後にトインビーに「ベルリンのどこにおいても熱心な議論の対象となっていた」と伝えている。一方、トインビーの同僚の中には、彼が英独関係を管理しようとしていることに失望している者もいた。
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