アトランティック・レコード40周年コンサートとは? わかりやすく解説

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アトランティック・レコード40周年コンサート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/07 07:35 UTC 版)

アトランティック・レコード40周年コンサート(アトランティック・レコード40しゅうねんコンサート)は、1988年5月14日に、ニューヨークマディソン・スクエア・ガーデンで、アトランティック・レコードの創立40周年記念行事として、13時間近くにわたって休憩なしで行なわれたコンサート[1]。このイベントは、「It's Only Rock And Roll」とも名付けられていた。

概要

アメリカ合衆国でアトランティック・レコードからレコードを出していたアーティストだけが演奏したが、参加したアーティストたちは同社の40年の歴史に関わった多様な世代にわたった。ラヴァーン ・ベイカー (Lavern Baker)とルース・ブラウンは参加した出演者の中でも最も長くアトランティックと関わって来たアーティストであり、デビー・ギブソンは新人歌手としてこのイベントに参加した。

アトランティックに所属していたグループの中には、公式に解散していたり、もう何年もの間そろって活動していない状態にありながら、このコンサートで演奏するために再結成したものもあった。ザ・ラスカルズアイアン・バタフライレッド・ツェッペリンもそうした例に入っていた。このほかにも、イエスジェネシスクロスビー、スティルス&ナッシュキース・エマーソンカール・パーマーエマーソン・レイク・アンド・パーマー)、フォリナーポール・ロジャースボブ・ゲルドフブッカー・T・ジョーンズウィルソン・ピケットザ・コースターズザ・スピナーズピーボ・ブライソンブルース・ブラザーズ[2]ロバータ・フラックマンハッタン・トランスファービージーズベン・E・キングヴァニラ・ファッジなどが演奏した[1]

当初、終幕で、大スターたちが共演するジャム演奏を披露しようという企画があったが、これは棚上げにされた[3]。その代わりに、レッド・ツェッペリンのかつてのメンバーが、コンサートの最後に演奏をした[4]

このコンサートの模様は、FMラジオやケーブルテレビ・チャンネルHBOで全米に放送されたが、テレビで舞台裏の紹介などのコメントをしていたのは、コメディアンのロバート・タウンゼント (Robert Townsend)だった。HBOの放送は、コンサートの開始から数時間後に始まり、生中継の合間に、既に終了した演奏の録画を部分的に流したので、いく組かのアーティストたちのセットは短縮されたり、まったく放送されなかったりした。さらに内容を圧縮し、ホスト役にロバート・ヘイズを据えた編集版が、コンサートと同年の遅い時期にABCから放送された。会場ではレッド・ツェッペリンの再結成を讃える横断幕が熱烈なファンによってタペストリーのように広げられていたが、HBOが生中継を始める前に撤去されてしまい、用意したファンたちを狼狽させた。

イギリスでは、BBC2により、1時間番組4回に分け、4週間にわたってこのイベントの様子を放送した。アトランティック・レコードは、後に『Atlantic Records 40th Anniversary: It's Only Rock 'n' Roll』と題したビデオを制作したが、ここでは初めの方にステージに上がったアーティストの演奏にハイライトが当てられ、アトランティック・レコードが保有するアーカイブ映像なども交えた編集がされている。

日本での放送はフジテレビ系で1988年6月30日深夜0時30分から、音楽評論家である福田一郎の解説を挟みつつ約270分にわたって放送された。

出演者とセットリスト

マーヴ・アルバート (Marv Albert)

  • 冒頭の挨拶

ザ・コースターズ

  • 「ザット・イズ・ロックンロール」 - "That Is Rock-N-Roll"
  • 「チャーリー・ブラウン」 - "Charlie Brown"

フィル・コリンズ

ラヴァーン・ベイカー

  • 「ジム・ダンディ」 - "Jim Dandy"
  • 「セイヴド」 - "Saved"

ロバータ・フラック

フォリナー

アイアン・バタフライ

ローラ・ブラニガン

  • 「グロリア」 - "Gloria"

スティーヴン・スティルス

ベン・E・キング

ロバータ・フラック

ロバータ・フラックとピーボ・ブライソン

マイケル・ダグラス

クロスビー、スティルス&ナッシュ

ビージーズ

3キース・エマーソン&カール・パーマー、ベースはロバート・ベリー

  • 「アメリカ」 - "America (including Rondo, Tocata, Tank)"

イエス

ダン・エイクロイドビル・マーレイ

ザ・ラスカルズ

ヴァニラ・ファッジ

アヴェレイジ・ホワイト・バンド

ルース・ブラウン

  • 「ティアドロップス・フロム・マイ・アイズ」 - "Teardrops From My Eyes"
  • 「ママ、あのひとがいけないの」 - "(Mama) He Treats Your Daughter Mean"

リサ・ボネット

デビー・ギブソン

  • 「ステーイング・トゥゲザー」 - "Staying Together"
  • フーリッシュ・ビート」 - "Foolish Beat"
  • メドレー
    • 「アウト・オブ・ザ・ブルー」 - "Out of the Blue"
    • 「シェイク・ユア・ラヴ」 - "Shake Your Love"
    • 「オンリー・イン・マイ・ドリームス」 - "Only in My Dreams"
  • ハッピーバースデートゥーユー」 - "Happy Birthday to You" ※アトランティックの誕生を祝って

フィル・コリンズ

ロバート・プラント

アラン・ポール&ティム・ハウザー(マンハッタン・トランスファー

マンハッタン・トランスファー

  • 「バードランド」 - "Birdland"

ザ・スピナーズ

ダン・エイクロイド

ザ・MG's

  • 「ラスト・ナイト」 - "Last Night"

スティーヴ・クロッパー

カーラ・トーマス&ザ・MG's

  • 「ジー・ウィズ」 - "Gee Whiz"

スティーヴ・クロッパー

ポール・ロジャース&ザ・MG's

スティーヴ・クロッパー

ミキ・ハワード&ザ・MG's

カーラ・トーマス、ポール・シェーファー&ザ・MG's

  • 「トランプ」 - "Tramp"

ダン・エイクロイド(ブルース・ブラザーズのエルウッド・ブルースとして登場)、サム・ムーア&ザ・MG's

  • 「エブリバディ・ニード・サムバディ」 - "Everybody Needs Somebody To Love"
  • 「ソウル・マン」 - "Soul Man"
  • 「愛しすぎて」 - "I've Been Loving You Too Long"

ダン・エイクロイド(エルウッド・ブルース)、サム・ムーア、フィル・コリンズ&ザ・MG's

  • 「ユー・ドント・ノウ・ライク・アイ・ノウ」 - "You Don't Know Like I Know"
  • ノック・オン・ウッド」 - "Knock on Wood"

ロバータ・フラック

ボブ・ゲルドフ

  • 「ユー・キャント・ビー・トゥー・ストロング」 - "You Can't Be Too Strong"

ウィルソン・ピケット&ザ・MG's

ウィルソン・ピケット、ダン・エイクロイド(Elwood Blues)&ザ・MG's

  • 「ダンス天国」 - "Land of a Thousand Dances"

マイケル・グリーン (Michael Greene) - NARASグラミー賞の主催団体)会長

アーメット・アーティガン

ジェネシス

ポール・シェーファー (Paul Shaffer)

ルーファス・トーマス

  • 「ウォーキング・ザ・ドッグ」 - "Walking the Dog"

ロバート・タウンゼント (Robert Townsend)、フィル・コリンズ、アーメット・アーティガン

レッド・ツェッペリン

出典・脚注

  1. ^ a b Perry, Shawn (1999年). “The Atlantic Records 40th Anniversary Bash”. VintageRock.com. Vanilla Fudge. 2007年12月8日閲覧。
  2. ^ ジョン・ベルーシ(ジェイク・ブルース)の没後であり、「ソウル・マン」のオリジナルを歌っているサム&デイヴのサム・ムーア (Sam Mooreが代役を務めた。
  3. ^ Lewis, Dave and Pallett, Simon (1997) Led Zeppelin: The Concert File, London: Omnibus Press, p. 140.
  4. ^ ドラムのジョン・ボーナムの没後であり、息子のジェイソン・ボーナムが代役を務めた。

外部リンク




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