アタール (シロップ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/30 08:09 UTC 版)
アタール (カタール) قَطْر |
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オレンジフラワーウォーターとローズウォーター入りのアタール
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別名 | attar, qattar, qatir / Shħūr |
種類 | シロップ |
地域 | アラブ世界 |
主な材料 | 砂糖、水 |
その他お好みで | レモン汁、ローズウォーター、オレンジフラワーウォーター |
アタール、またはカタール(アラビア語: قَطْر)は、中東の菓子作りに使用される甘いシロップの一種である。飲料として飲まれることもある[1]。
砂糖と水を主原料とし、やや黄金色で濃厚になるまで火にかけ少し煮詰められる[2]。砂糖が再結晶するのを防ぐためにレモン汁が加えられるほか[2]、バラの水や油、オレンジフラワーウォーター[1]、シロップと似た名前を持ちかすかにバラの香りがするアタール[要出典]などの香料を追加で加えて味にメリハリを出す。冷ましたアタールは蜂蜜のような粘度を持つ状態になる[3]。
多くのアラビアの、特にレバントの菓子作りに欠かせない食材で、その中にはクナーファ、バクラヴァ、ハリーサなどを含むがこれらに限定されない。焼き菓子の場合、味を良く染み込ませるため、そして生地がふやけた状態になるのを防ぐため、焼き上がりの熱い菓子に冷たいまたは室温の、アタールがかけられる[2]。菓子を焼き上がり直後に食しない場合、アタールをかけずに保存し、提供される前に再度菓子を温め直しててからアタールをかける[4]。
菓子の生地自体に砂糖などの甘味を加えず、アタールをかけることによって甘味を調節する役割もあるが[2]、菓子が既にアタールにどっぷり浸っている[2]場合が多い。
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アタールがまだかけられていない調理途中のカターイフ
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アタールが薄っすら滲む完成したカターイフ
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蜂蜜のような粘度のアタールがかけられているハラーワートジュブン
出典
- ^ a b Lama (2021年4月24日). “TasteGreatFoodie - Orange Blossom Water Syrup (Lebanese Ater) - Desserts” (英語). TasteGreatFoodie. 2025年3月16日閲覧。
- ^ a b c d e Assil, Reem (19 April 2022). Arabiyya: Recipes from the Life of an Arab in Diaspora. Clarkson Potter/Ten Speed. p. 97. ISBN 9781984859075 2023年2月28日閲覧。
- ^ Hoskinson, Brad (2022) (英語). Egyptian Cookbook: Simple And Authentic Recipes You Should Try. Independently published. p. 64. ISBN 979-8836903145
- ^ Tamimi, Sami; Wigley, Tara (2024年10月8日). “Sami Tamimi and Tara Wigley's knafeh nabulseyeh” (英語). ガーディアン. ISSN 0261-3077 2024年3月16日閲覧。
- ^ Alghweir, Fatimah (2023年4月7日). “The Best Awameh (Luqaimat) Recipe” (英語). FalasteeniFoodie. 2025年3月16日閲覧。
関連項目
- シロップの一覧
- キシュタ
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