アジュバントに対する薬害説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 02:30 UTC 版)
「アジュバント」の記事における「アジュバントに対する薬害説」の解説
アルミニウム化合物をアジュバンドとして使用したワクチンについては、マクロファージ性筋膜炎 (MMF) という問題があるのではないかという仮説があるが、大規模臨床試験の結果は、仮説を支持する結果が得られていない。 2009年の新型インフルエンザの際に、欧州諸国とスカンジナビアでは、インフルエンザワクチン接種とナルコレプシー(突然眠くなる症状がある)との関連が見られ、研究はアジュバントの影響に言及している。 2004年に、ジェファーソンらが実施したシステマティック・レビューは、アジュバントとして使用されるアルミニウム化合物が、重篤あるいは長期的な有害事象と関連することを見出さず、証拠の品質が低かったにもかかわらず、さらなる調査の終了を推奨した。 その後登場した「AS-04」という新しいタイプのアジュバントが『HPVワクチンによって生じる症状の原因である』という仮説があるが、このことを肯定するにも否定するにも、比較するためのデータは不足していると、2017年のコクラン共同計画によるシステマティック・レビューは結論している。2012年に世界保健機関は、アジュバントとして使用されるアルミニウム化合物と自閉症の関連を指摘する研究には『欠陥がある』と指摘した。 2011年にショーンフェルドとレヴィンが Autoimmune Syndrome Induced by Adjuvants(ASIA、仮訳・アジュバント誘発性自己免疫症候群)を報告し、2016年までに約4500の症例があり、うち約300例が重症で、220例はHPVワクチンであり、重度の症例のほとんどが、HPVワクチン、インフルエンザワクチン、シリコン、鉱油注射(mineral oil injectionの仮訳)に関連する。世界中の様々な医師からの報告であり、様々な自己免疫状態が収集されている。
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