アグノスタス目 Agnostida
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 11:56 UTC 版)
「三葉虫」の記事における「アグノスタス目 Agnostida」の解説
アグノスタス亜目とエオディスカス亜目があり、双方とも体サイズが矮小(わいしょう)化しており(通常5 - 6ミリメートル程度)、前者は2・後者は3の胸節で構成される胸部、そして頭部とよく似た尾部といった特徴を持つ。特にアグノスタス亜目は、肋部部に通常認められる複眼を持たない。一方、エオディスカス亜目にはアベイソクローラル型複眼と呼ばれる特殊な形状の複眼が備わる。付属肢などの生体部が保存されたアグノスタス亜目のアグノスタス・ピシフォルミス Agnostus pisiformis の化石が、スウェーデン中部カンブリア系のオルステン動物群より報告されている。全く変形のない生きた姿がそのまま保存されたかのような5億年前の生物体であるだけでも驚嘆すべきであるが、その付属肢の形状には従来知られていた三葉虫の付属肢の情報とは全く異なる特徴を備えていることも報告された。通常の三葉虫では、生物体の最前方に備わる一対の単肢型触角と、その後方にサイズが減少するものの形状にはほぼ変化がない二肢型付属肢が各体節に一対備わっている。一方のアグノスタス・ピシフォルミスでは、一対の単肢型触角(現在の甲殻類では二肢(叉)型)が備わり、その後方の頭部では内肢と外肢で形状および双方のサイズ比率が異なる二肢型付属肢が、胸部と尾部にはほぼ同形でサイズが異なる二肢型付属肢が各体節に一対ずつ備わっている。この付属肢形態の相違をもとに、アグノスタス類を三葉虫綱に含めない研究者もいる。
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