アイギストスの死
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/08 07:16 UTC 版)
アイギストスは7年間ミュケーナイを支配したが、8年目にアガメムノーンの息子オレステースが戻り、父親の復讐を果たす。オレステースはポーキス王ストロピオスのもとで養育された。これは母親のクリュタイムネーストラーが子供たちを迫害したため、姉のエーレクトラーが弟をストロピオスに預けたものだった。アイギストスはオレステースを殺すよう国内に布告し、エーレクトラーは虐待を受けた。 オレステースは成人するとデルポイに赴き、父親を殺した者たちに復讐するべきか神に問うた。神託は仇を討つべしと応えた。そこで彼は、ストロピオスの息子ピュラデース(英語版)とともにミュケーナイに向かった。オレステースはアガメムノーンの墓の前でエーレクトラーと再会し、姉と弟であることを確かめ合った。オレステースとピュラデースは旅人を装い、オレステースが死んだと王宮に報告した。これを聞いたクリュタイムネーストラーは二人を招き入れ、アイギストスを迎えにやった。現れたアイギストスをオレステースが殺した。クリュタイムネーストラーはオレステースの正体に気づき、赤子のときに飲ませた乳房を見せて助命を乞うたが、オレステースは許さずに殺した。 母親を殺害したことで、オレステースはエリーニュスたちに追われる身となった。ミュケーナイの王位はアイギストスの息子アレーテースが継いだが、やがて帰国したオレステースによって殺された。アイギストスの娘エーリゴネーは、アレイオス・パゴスの法廷にオレステースを殺人罪で訴えたが、無罪の判決となったことにより自殺した。一説には、オレステースがアレーテースを殺したとき、エーリゴネーも殺そうとしたが、アルテミスが彼女を救い出し、アッティカに連れて行った。また別の所伝では、彼女はオレステースと交わってペンティロスを生んだともいう。
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