郵貯大量償還(ゆうちょたいりょうしょうかん)
2000年4月以降、10年前に預けられた郵便局の定額貯金が大量に満期を迎える。郵便貯金は、民間の金融機関に比べて高い金利(利子)でお金を預けることができ、特に10年前に当たる1990年度の金利は年間平均で6.1%と高い水準だった。しかし、その後の金利は減少し、そのまま10年の満期まで預け続ける預金者が多かったので、大量に償還される結果となった。
郵政省の試算によると、1999年度に満期となった定額貯金が10兆円程度であることに比べ、2000年度には58兆円、2001年度には48兆円が満期を迎えることになっている。
これだけ多くの定額貯金が満期を迎えることには、10年前に高金利だったこと以外にも理由がある。第一に、10年前の1980年度も年平均で7.7%という高金利であり、満期を迎えた定額貯金が再び郵便局に預けられたこと。そして第二に、さらにその10年前の大量償還のとき資金が流出することを防ぐために預金限度額を500万円から1000万円に引き上げたことである。
現在金利が低いということもあり、郵便局から大量に流出する資金を獲得するために、多くの金融機関では魅力的な金融商品を用意している。満期を迎えた預金者は、リスクはあってもより運用益の出る株や投資信託などの金融商品を選ぶ可能性が大きいとも言われている。
(2000.04.24更新)
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