みつだえ

デジタル大辞泉

みつだ‐え〔‐ヱ〕【密^×陀絵】

読み方：みつだえ

奈良時代に中国から伝来し、平安初期まで盛行した絵画の技法。また、その絵。

１ 密陀の油で顔料を練って描いた一種の油絵。玉虫厨子(たまむしのずし)の絵などにみられる。油画(ゆが)。

２ 膠(にかわ)に顔料をまぜて描いた上に密陀の油を塗って光沢を出した絵。正倉院御物などにみられる。油色(ゆうしょく)。

[補説] 密陀絵の語が用いられたのは近世になってからで、当時は漆器の装飾についていったが、明治以降は古代の遺品に適用されるようになった。

世界宗教用語大事典

みつだえ 【密陀絵】

酸化鉛を密陀僧といい（ペルシア語ミュールダーセンの音写）、これを用いた油絵の一種で、法隆寺の玉虫厨子の絵などがそれ。江戸初期まで使用。