へき地に生きる
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 14:46 UTC 版)
池井は虎杖小学校勤務時代の縁から、虎杖小学校の通学圏でもあった丹後町小脇(廃村)で17年間、村を守った伝承が残る地蔵菩薩に読経と水を供えて夫婦2人だけの生活を続けた織戸信治・きみ子夫妻に深い共感を寄せ、教職を辞した後も毎月のように交流を続けた。詩集『海の囁き』では、「風 かぜふくな 雪 ゆきふるな あの山ふところに 爺と婆と稲そだててるではないか 風雪ゆくとふたりは埋まる」と老夫婦を案じて謳った。1993年11月には『海の囁き』に即したカンタータ「ただいま一戸、冬物語」が京都府立文化芸術センターで上演された。 のちに池井は織戸夫妻との交流を「典型的な丹後の過疎の村で一緒に考え、暮らせたことがありがたかった」とふりかえり、2018年に発表したオリジナルCD『海のアンソロジー』で朗読した詩「小脇の物語」で、経済成長の道を突き進んだ戦後の日本の歩みに対し、本当の豊かさとは何かを問うた。
※この「へき地に生きる」の解説は、「池井保」の解説の一部です。
「へき地に生きる」を含む「池井保」の記事については、「池井保」の概要を参照ください。
- へき地に生きるのページへのリンク