のれん償却の意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 09:24 UTC 版)
「のれん (会計)」の記事における「のれん償却の意義」の解説
のれん償却は、利益操作の手段として用いられる可能性がある。償却を行わない場合は、企業結合を繰り返す企業の貸借対照表に巨額ののれんが蓄積されていくことや、収益悪化が続くとブランド価値が失われたとして突然巨額の減損処理が発生することがある。企業結合により生じたのれんは時間の経過とともに自己創設のれんに入れ替わる可能性があるため、企業結合により計上したのれんの非償却による自己創設のれんの実質的な資産計上となる。のれんが超過収益力を表すとみると、競争の進展によって通常はその価値が減価するにもかかわらず、競争の進展に伴うのれんの価値の減価の過程を無視することになる。超過収益力が維持されている場合においても、企業結合後の追加的な投資や企業の追加的努力によって補完されているにもかかわらず、のれんを償却しないことは、上述の通り追加投資による自己創設のれんを計上することと実質的に等しくなるという問題点がある。 償却を行う場合も、実務的には償却期間が根拠なく2年から20年と幅がある為、企業側の意志により恣意的に一定期間、利益を落として開示することが可能となっており、欧米と日本の処理方法の差異に関して議論が続いている。
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