て◦む
「秋の野に露負へる萩を手折らずてあたら盛りを過ぐし—◦むとか」〈万・四三一八〉
「世にふればうさこそまされみ吉野の岩のかけ道踏みならし—◦む」〈古今・雑下〉
「春日野のとぶ火の野守出でて見よいまいくかありて若菜摘み—◦む」〈古今・春上〉
4 適当・当然を強調して表す。…てしまうのがよい。…のはずだ。
「心づきなき事あらん折は、なかなかその由をも言ひ—◦ん」〈徒然・一七〇〉
5 (多く「てむや」の形で)
㋑(多く「まさに」と呼応して)反語の意を表す。どうして…しようか。…しはしない。
「内内の御心(みこころ)清うおはすとも、かくまで言ひつる法師ばら、よからぬ童べなどはまさに言ひ残し—◦むや」〈源・夕霧〉
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