そもそも利他行為ではなかった
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/22 18:10 UTC 版)
「利他的行動」の記事における「そもそも利他行為ではなかった」の解説
レミングの集団自殺が個体数調節のための典型的利他行為と考えられてきたが、集団自殺自体が事実ではなかった。鳥の警告の鳴き声は、警告を発する個体の生存率を低下させる利他行為であると説明されてきたが、よく観察してみるとむしろ警告を発した個体の生存率は高まることが確認された例もある。この立場に含められる説の一つにハンディキャップ説がある。ある生物の利他的、または適応度を下げるように見える行為は、その個体の優秀さや力強さをまわりに伝える信号であり、結果的にその個体の適応度を高めているという説。ガゼルが捕食者を目の前にして飛び跳ねる行為は、群淘汰説によって注意を引きつけて仲間を逃すためだと説明されることがあった。しかし観察の結果、飛び跳ね行為を行うガゼルよりも、行わずに逃げ出すガゼルの方が狙われやすいことがわかった。利他行為だと考えられていたものを、利己行為と見なす方が上手く説明できる場合があることを示している。
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