心学

世界宗教用語大事典

しんがく 【心学】

①中国で心を修養する学問のことで、初めは仏教思想による禅心学が起き、のち程朱学や陽明学が現れた。②日本で江戸時代に、神・儒・仏の三教を融合して、その教旨を平易な言葉と通俗なたとえで説いた一種の庶民教育のこと。石田梅岩（巌）を祖とする石門心学に始まり、手島堵庵・中沢道二に伝えられ、柴田鳩翁に至ってさらに拡張された。一時は六五カ国に一四九の講舎（道場ともいう）があった。その訓話を道話といった。梅岩（一六八五～一七四四）は丹波の農家の出で、京都などで奉公の傍ら勉学し、心学と呼ばれる独自の人生哲学を樹立した。著『都鄙問答』他。