【GSG9】(げーえすげーのいん)
Gresz Schutz Gruppe 9 (ドイツ国境警備隊 第9部隊)
ドイツ連邦警察局が保有・運営する対テロ特殊部隊。
1972年のミュンヘンオリンピック事件で、当時の西ドイツ政府が対処に失敗したことを契機に創設された。
当初、西ドイツ政府は対テロ特殊部隊を国防軍の隷下に置くことを構想した。
しかし「軍の精鋭部隊」という位置づけが、1930~1940年代のナチ政権時代に存在した「武装親衛隊」を想起させる、としてこの案は見送られ、当時あった準軍事組織「国境警備隊」隷下の「第9大隊」という名で創設された。
英国陸軍の特殊部隊「SAS」の協力の下に訓練を行い、1977年のルフトハンザ航空181便ハイジャック事件で、犯行グループによってソマリアのモガディシュへ着陸させられた被害機(B737-200型機)に突入してわずか5分で機内を制圧、人質となった乗客・乗員を無事救出するという活躍を見せた。
「モガディシュの奇跡」として国際的名声を博したこの事件を契機に、本隊はアメリカのデルタフォース、日本のSATなど、各国の軍や警察が対テロ部隊を設立する際の模範ともなった。
本隊は、政治的背景のある事件やテロ事件への対処を主任務としており、これに該当しない凶悪犯罪にはドイツ地方警察の「特別出動コマンド(SEK)」が対処に当たる。
また、地方警察の支援や首相官邸・各国所在のドイツ大使館などの重要施設の警備も任務となっている。
関連:司法警察
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