かさ高さの利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/15 13:54 UTC 版)
「tert-ブチル基」の記事における「かさ高さの利用」の解説
tert-ブチル基は3つのメチル基が空間に向けて張り出しているため、その α 位にある官能基は他の試薬の攻撃を受けにくくなる。例えばシリルエーテルが酸または塩基存在下に加溶媒分解される際、トリメチルシリル (TMS) エーテルに比べ tert-ブチルジメチルシリル(TBS または TBDMS)エーテルは約2万倍も安定となる。この場合 O-シリル基の酸素原子は tert-ブチル基の β 位であるが、溶媒分子は α 位のケイ素原子に対して求核攻撃しており、プロトン化によるアルキルエーテルの E1脱離(後述の tert-ブチルエーテルの E1脱離)とは反応機構が異なる。 また tert-ブチルシクロヘキサンにおいて、tert-ブチル基がアキシャル位をとるような立体配座は、シクロヘキサン環上で3位および5位の水素原子とtert-ブチル基との立体反発が起こるため極めて不利になる。ゆえに回転ポテンシャル的に有利な、 tert-ブチル基がエクアトリアル位にある立体配座をとる。
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