猿猴坊
- 女子の経水を云ふなり。略して「えて」とも呼ぶ。猿の尻の赤きに比せしならん。安永頃の落語本『豆談語』に此語出づ。烏亭焉馬が猥褻の戯作に「猿猴坊紅の月成」との号を署せしも此意なり。
- 猿猴坊。月経の隠語。猿の尻の赤の縁語。「おゑん」ともいふ。又「ゑんこうわたす」ともいへり。「鳥襷」に臨期為経水恋の歌に「水の月とらんとすれば月の水のゑんこうばうぞと聞くもわびしき」とあり。烏亭焉馬が猥褻の戯作の仮名に「猿猴坊月成」と記せり。安永頃の落語本「豆談語」に此の語あり。「鳥居さきおゑんおこうは待つてゐる」「気の毒さ婚礼の夜におゑんなり」。
- 〔隠〕月経。
- 月経のことをいふ。
- 米飯を云ふ。
- 天癸のこと。大阪地方にては「ゑんこう」といへば人形の事ときこへたり。『艶道重宝記』には人形のことを「ゑんこうをわたす」と書けり。一に「おゑん」ともいへり。川柳に「鳥居さきおゑんおこうは待つてゐる」とあり、句意は経水中の女人は不浄なりとて鳥居外にたたずむとなり。
- 月経のこと、猿の尻が赤いことに関係づけた語。
- 月経。方言。〔俗〕
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