『春秋釈例』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 02:30 UTC 版)
杜預は以上のように本書の体裁に工夫を加えた上で、同時に『春秋釈例』という書を著し、本書の補いとした。この書について、杜預は以下のように述べている。 また別に、経・伝の中に見える多種の義例、及び地名や氏族の系譜、暦を集めて、それを問題ごとにまとめて分類し、全部で四十部・十五巻の書物にした。……この書物に『釈例』という題をつける。『春秋』の経・伝を学ぶ人が、ここに集められた問題とそれらの異同についての説明とを、見やすいようにしたものであって、「釈例に曰く」の見出しをつけたところでその説明を詳しく述べた。 — 杜預、『春秋経伝集解』序 『春秋釈例』は、『左伝』から『春秋』経文の解釈に関係している部分を抜き出し、それらから帰納して『春秋』解釈の原理を定め、その原理について説明を加えたものである。そしてこの原理に従って『春秋』および『左伝』を統一的に解釈したのが『春秋経伝集解』である。『春秋釈例』の前半は『春秋』経文と『左伝』に見える義例を具体例に即して論述したもので、後半は土地名・世族の系譜・暦日の考証・図解である。本書は明代に亡佚しており、現存するものは輯佚書である。
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